この記事はPRが含まれていますが、直接取材・調査した一次情報を元に書かれています。
経営戦略を立てる際に、自社データの収集や分析は欠かすことができません。
しかし、大量のデータを手作業で処理するには膨大な手間や工数が必要で、どうしたら効率的に行えるかとお悩みの企業もあるのではないでしょうか。
そのような場合に、ぜひおすすめしたいのが、ETLツールです。
ここでは、ETLツールの基礎知識や選び方を解説しながら、ETLツールのおすすめ9選を比較してご紹介します。
利用時の注意点も合わせてチェックしながら最適なETLツールを導入し、データを効率的に処理していきましょう。
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ETLツールとは
まずは、ETLツールについての基礎知識を押さえておきましょう。
ETLツールの基本機能
ETLとは、複数のシステムに含まれるデータを抽出し、加工を行うことで作業の効率化をサポートしてくれるツールのことです。
主な3つの機能である、「Extract(データ読み込み機能)」・「Transform(データ加工機能)」・「Loard(データ書き出し機能)」の3つの頭文字を取ってETLと呼ばれています。
ちなみに、それぞれの機能における具体的な処理内容は以下の通りです。
複数のシステムのデータを活用するために、まずはデータの抽出が行われます。
ほとんどのETLツールにおいて、Oracle DatabaseやMicrosoft SQL Server、IBM DB2などのDB管理システムからデータを読み取ることが可能です。
ちなみにCSVやXML、Excelなど、異なるデータ形式のデータも抽出できます。
抽出の際にはデータの構文が解析され、データの識別や除外が行われながら統合すべきデータの判別が実行されます。
抽出したデータをDWH(データウェアハウス)のデータベースやデータマートに書き出すために、一定の規則や関数に従って抽出したデータのフォーマットや文字コード、属性などを変換・加工します。
最後に、変換・加工したデータをDWHのデータベースやデータマートに書き出します。
これらの作業は、従来はひとつひとつ手作業で行われていました。
しかし、作業に膨大な時間と梨労力がかかることや非常に高度なスキルを要することから、一連の作業を効率的に実行できるETLツールが急速に普及しつつあります。
ETLツールとEAIツールの違いについて
ETLツールは、しばしEAI(Enterprise Application Integration)ツールと混同される傾向があります。
しかし、まったく異なる性質のツールであるため、その違いをここできちんと押さえておきましょう。
ETLツールは、データを集約・統合することを目的としてデータを抽出・変換・書き出しを行うツールです。
一方EAIツールは、「異なるアプリケーションを統合してデータをやりとりすることを目的とし、データのリアルタイム処理を行うツール」となります。
主に、残高照会や受発注処理などの場面において活用されています。
つまり、ETLツールはデータの集約、EAIツールはデータのリアルタイム処理というように、目的も作業内容も大きく異なるためしっかりと区別しておきましょう。
ちなみに最近では、EAIツールのリアルタイム処理機能を兼ね備えたETLツールも登場して注目が集まっています。
ETLツールを導入するメリット
ETLツール導入の主なメリットは以下の通りです。
データ整理に役立つ
ETLツール最大のメリットは、自社内に点在しているデータの整理に役立つことです。
データ同士を連携して自動で帳票を作成できるため、手作業で行う場合に比べて、はるかに少ない時間と労力でデータを的確にまとめられます。
ノンプログラミングでデータ統合システムを自製できる
ノンプログラミングでデータ統合システムを構築できる点も、ETLツールならではのメリットです。
システム開発に必要な専門的スキルを持った人材を確保する必要がなく、メンテナンスも自社内で行えます。
データの分析精度がアップする
データの集計・分析業務をETLツールによって行うことで、データの分析精度が高まる点も注目したいメリットです。
人が手作業で行う場合は、データの誤変換や喪失といった人的ミスが起こりがちですが、ETLツールを活用すればそのようなミスや差異が発生しにくい傾向があります。
ETLツール導入に関する注意点
さまざまなメリットがあるETLツールですが、知っておきたいデメリットもあります。
導入前に、以下の点についてしっかりと把握しておくことが大切です。
導入コストがかかる
ETLツールの導入には、高額な費用がかかります。
有料パッケージの多くが100万円以上で、なかには数百万円~数千万円のものも存在します。
もしもツールを使いこなせないと、せっかくの高額投資が無駄になってしまうでしょう。
そのような失敗がないように、導入時には慎重に製品を選定することが求められます。
専門知識が求められる
ETLツールには非常に高度な機能が備わっているため、使いこなすためにはある程度のITリテラシーやスキルが必要です。
もしもスキルがないままに作業を開始してしまうと、かえって処理に時間がかかる恐れもあるため注意しましょう。
自社で使いこなせるかどうかを見極めるために、まずは無料のETLツールや無料お試しなどを利用してみることをおすすめします。
そのうえで導入を検討すれば、スムーズに作業を進められるでしょう。
ETLツールを選ぶ際にチェックしたい3つのポイント
ETLツールは業務効率化に大変有効ですが、自社に合うタイプを選ぶにはコツがあります。
以下でご紹介する3つのポイントを参考に、最適なETLツールを探していきましょう。
(ポイントその1)自社のデータベースやデータ形式に対応しているか
ETLツールは、その製品ごとに対応しているデータベースやデータ形式が異なります。
そのため、自社で利用しているデータベースやデータ形式に、マッチしているタイプを選びましょう。
(ポイントその2)操作性の高さ
特に初めてETLツールを利用される場合には、操作性の高さにも注目して選びましょう。
高度な機能を使いこなす必要があるので、使いやすい製品であることに越したことはありません。
(ポイントその3)機能とコストのバランス
機能とコストのバランスについてもしっかりと考慮し、自社に見合うETLツールを選ぶことが大切です。
価格の安さを重視すると必要な機能が備わっていない可能性もあり、結局後に機能を追加して高くつくケースも。
そうならないように、機能とコストのバランスに優れたタイプを選びましょう。
ETLツールのおすすめ9選を徹底比較!
ここでは、機能とコストのバランスに優れたETLツールのおすすめ9選をご紹介します。
それぞれの特徴を比較して、自社に合うタイプを見つけてみてください。
1:ASTERIA Warp(アステリアワープ)
ASTERIA Warpは、8,000社以上の導入実績と国内シェアNo.1を誇るETLツールです。
データベースをはじめ、エクセルなどの各種ファイルやクラウド連携などといったさまざまなデータソースに対応しています。
ノン・コーディングによる簡単操作で、データの分析や構築を高速で行える点も注目したいポイント。
プログラミング未経験者でも取り扱いやすいため、社内の各部署において業務効率化を実現できます。
(ASTERIA Warpの基本情報)
機能 | ・ファイル連携
・データ変換 ・データベース連携 |
料金 | 要問合せ |
2:ASTERIA Warp Core(アステリアワープコア)
ASTERIA Warp Coreは、ASTERIA Warpをより簡単に利用できる初心者向けのETLツールです。
機能をファイル連携やデータ変換に絞り込んだことで、使いやすさや導入のしやすさを実現しています。
初期費用なし、月額30,000円からとリーズナブルに利用できることも大きな魅力です。
シンプルな機能で手軽に業務効率化を図りたい企業に向いています。
(ASTERIA WarpCoreの基本情報)
機能 | ・ファイル連携
・データーマッピングで簡単データ変換 ・Excel簡易連携 |
料金 | 30,000円~ |
3:trocco(トロッコ)
troccoは、分析基盤向けのETLツールです。
複雑なプログラミングや環境構築は不要で、最短5分で作成できるユーザーインターフェースが評判を呼んでいます。
データ転送速度は業界トップクラスで、データ運用にかかる工数を90%以上も削減が可能に。
初期費用はかからず、ランニングコストは月額費用+データ転送量の従量課金制と明瞭会計である点もうれしいポイントです。
(troccoの基本情報)
機能 | ・ファイル連携
・データ変換 ・ジョブ管理機能 |
料金 | 月額費用+データ転送量の従量課金制(要問合せ) |
4:Qanat(カナート)2.0
Qanat2.0は、直感的な操作で簡単にデータを変換できると話題のETLツールです。
ドラッグ&ドロップやアイコンによるわかりやすい操作がメインなので、プログラミングに詳しい方でなくても気軽に利用できます。
システムのバージョンによって料金が異なるため、気になる方は見積り依頼をされるとよいでしょう。
無料でお試しできる評価版もあるので、ぜひ利用されてみてはいかがでしょうか。
(Qanat2.0の基本情報)
機能 | ・ファイル連携
・データ変換 ・スケジューリング機能 |
料金 | 要問合せ |
5:Waha! Transformer(ワハ・トランスフォーマー)
Waha! Transformerは、10億件におよぶ大量のデータ処理実績を誇るETLツールです。
中小企業から大企業まで幅広く導入されており、大容量のデータも高速で処理できる性能の良さが人気を集めています。
操作性が高いため、プログラミング初心者でも比較的短期間で使いこなせるようになるでしょう。
手厚いサポートが受けられるのは純国産ツールならではで、初めてETLツールを導入する企業にも安心です。
(Waha! Transformerの基本情報)
機能 | ・ファイル連携
・データ変換 ・データベース連携 |
料金 | 450万円~(クラウド版は13.5万円~) |
6:Reckoner(レコナー)
Reckonerは、オンプレやクラウドデータ、アプリケーションなど、さまざまな種類のデータを統合・連携できるクラウド型ETLツールです。
運用面においても使いやすい機能が豊富で、実行状況をメールやslackで通知するなど見逃しを防ぎながら徹底した管理を進められます。
接続設定から加工・変換処理までをドラッグ&ドロップで作成可能なので、専門知識を持つ人がいない企業も利用しやすいでしょう。
14日間の無料トライアルサービスがあり、気軽にお試しできる点も魅力です。
(Reckonerの基本情報)
機能 | ・ファイル連携
・データ変換 ・データベース連携 ・運用サポート |
料金 | 月額50,000円~ |
7:Talend Open Studio(タレンドオープンスタジオ)
Talend Open Studio(タレンドオープンスタジオ)は、Talend株式会社が提供するETLツールです。
使用するには、まずJavaをインストールしなければいけませんが、簡素なデータ設計はノン・コーディングで開発できるのでムダに労力を消費しません。
また操作で不明点があった場合でも、日本語ユーザーガイドがあるので、戸惑うということもすくないでしょう。
Talend Open Studioは、無料から利用できるETLツールにも関わらず、機能が充実している点から世界中に利用者がいます。
もし、どのETLツールを利用するか迷ったら、まずはTalend Open Studioを利用してみるといいでしょう。
(Talend Open Studioの基本情報)
機能 | ・データ統合
・ETLの簡素化 ・データを容易に移動可能 |
料金 | 無料~ |
8:Informatica PowerCenter(インフォマティカパワーセンター)
「Informatica PowerCenter(インフォマティカパワーセンター)」は、EPSONやcookpad、OLYMPUSなどの大手企業の導入実績があるETLツールです。
またInformatica PowerCenterは、使いやすいと好評。
その理由のひとつは、変換パレットで手作業でのノン・コーディングで開発可能という点からです。
こうした配慮のおかげで、作業がよりスムーズに進み、作業コストを削減できるわけですね。
信頼性の高さやノン・コーディングで使いやすいETLツールを選ぶのであれば、Informatica PowerCenterがおすすめとなります。
(Informatica PowerCenterの基本情報)
機能 | ・データ統合
・プロトタイプの作成 ・アプリケーション移行 |
料金 | 要問合せ |
9:Data Spider Cloud(データスパイダークラウド)
「Data Spider Cloud(データスパイダークラウド)」は、国産ツールでノン・コーディングで作業ができるELTツールとなります。
100%日本製であることから、日本カレンダーや半角カナも対応しており、クオリティはまさに日本人向け。
他にも、社内システムとクラウドサービスも、VPNを使用することなく連携できます。
こちらのツールも先ほどと同様で、みずほ銀行や旭化成、SANYOなどの大手企業にも導入している確かな製品なので、信頼性を求めるのなら有力候補となりそうです。
(Data Spider Cloudの基本情報)
機能 | ・データ統合
・データ連携 ・ファイル連携 |
料金 | 初期費用 600,000円
月額120,000円~ |
おすすめETLツール9選の比較一覧表
ETLツールについて、いくつか候補は絞れたでしょうか?
まだの方は、以下の比較一覧表も活用しながら、絞り込んでいきましょう。
機能 | 料金 | |
ASTERIA Warp | ・ファイル連携
・データ変換 ・データベース連携 |
要問合せ |
ASTERIA Warp Core | ・ファイル連携
・データ変換 ・Excel簡易連携 |
30,000円~ |
trocco | ・ファイル連携
・データ変換 ・ジョブ管理機能 |
月額費用+データ転送量の従量課金制(要問合せ) |
Qanat | ・ファイル連携
・データ変換 ・スケジューリング機能 |
要問合せ |
Waha! Transformer | ・ファイル連携・データ変換
・データベース連携 |
450万円~(クラウド版は13.5万円~) |
Reckoner | ・ファイル連携
・データ変換 ・データベース連携 ・運用サポート |
月額50,000円~ |
Talend Open Studio | ・データ統合
・ETLの簡素化 ・データを容易に移動可能 |
無料~ |
Informatica PowerCenter | ・データ統合
・プロトタイプの作成 ・アプリケーション移行 |
要問合せ |
Data Spider Cloud | ・データ統合
・データ連携 ・ファイル連携 |
初期費用 600,000円月額120,000円~ |
ETLツールを利用する前に準備しておきたいこと
最後に、ETLツールを効果的に活用するための事前準備について解説します。
自社の企業規模やデータの容量を把握する
ETLツールにはさまざまなタイプがあるため、自社の企業規模や所有しているデータの容量、内容などをしっかりと把握しておきましょう。
そうすることで、自社に適したETLツールを見つけやすくなります。
活用するデータ範囲を選定する
活用するデータ範囲を選んでおくことも、適切なETLツールやプランを選ぶ重要なポイントです。
たとえば、Excel帳票など情報系データを効率化したい場合には、シンプルでリーズナブルなETLツールを。
人事給与や財務会計システムといった基幹系データを取り扱う場合には、セキュリティやサポートが万全なタイプがおすすめです。
導入に必要なITスキルを備える
ほとんどのETLツールは、専門的なプログラミングスキルがなくても利用可能です。
しかし、システム開発に関する基本的なITスキルは求められるため、事前にきちんと備えておきましょう。
事前にしっかりと準備したうえでETLツールを導入しよう
ETLツールは、その多くが高額であること、最低限のITスキルが必要であることなどから、導入を迷われている企業もあるかもしれません。
しかし、上手に選んで使いこなすことができれば、業務効率を大幅にアップできる大変便利なツールです。
ぜひここでご紹介した選び方や注意点などを参考に、自社に最適なETLツールを探してみましょう。
そして無料トライアルなどを活用しながら慎重に導入し、業務の効率化を目指してみてはいかがでしょうか。