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国税についても法人カードでの税金支払いができるようになり、企業にとってあらゆる面でコスト削減が図れるようになりました。
しかしその恩恵を受けたくとも、法人カードでの納税方法がわからない方や、注意点を把握していないために、無駄なコストを発生させている方も少なくありません。
ここではそういった方を対象に、法人カードで税金支払いに関する以下の疑問にわかりやすく答えていきます。
- 法人カードで税金支払いをするとどんなメリットがある?
- 法人カードで支払える税金はどんなもの?
- 法人カードで税金支払いをする具体的な手順は?
- その際に何に注意するべき?
- お得になるコツはないの?
ここの記事で紹介されている内容をしっかりと把握し、賢く税金を支払っていきましょう。
法人カードで税金支払いをするメリット4つ
法人カードで税金を支払う際には、それなりに高い決済手数料(1万円を超えるごとに「82円」加算)を支払う必要があります。
それでも法人カードで税金を支払うことに、一体どのようなメリットが存在するのでしょうか。
ここでは、そのメリットについて4つ紹介していきます。では早速みていきましょう。
メリット①|ポイントが貯まる
個人カードと比較しても、支払いの額が大きくなりがちな法人カードですが、それは税金についても同様でしょう。
もちろん、納付額に応じて付与されるポイントも増えるわけですから、これを見過ごすことは非常にもったいないといえます。
また、法人カードの種類にもよりますが、付与されたポイントはマイルとしても活用が可能です。
そのマイルを出張時の交通費に充てるなど工夫をしていけば、結果として経費の削減につながることは言うまでもありません。
メリット②|キャッシュフローに余裕がでる
税金の現金払いにおいて一番ネックになることは、まとまったキャッシュが手元からなくなることでしょう。
ましてやそれが資金繰りの厳しい状況だった場合、さらに過酷な状況に置かれることとなります。
一方、税金を法人カードでの支払いとしていれば、利用額の引き落とし日までキャッシュを手元に残せます。
特に設立間もない経営者にとって、これは大きなメリットとなるでしょう。
もちろん、税金の納期限までにクレジットカード払いの手続きさえ完了していれば、延滞税が追加でかかることもありません。
メリット③|税金支払いをまとめて管理
税金の支払いは税目によって支払先が複数存在しているため、払い忘れがないかの確認作業がどうしても面倒になってきます。
もし仮に払い忘れなどが起きてしまえば、無駄に延滞税を追加で払うこととなり、少しでも経費を削減したい方にとって、さらなる負担となりかねません。
しかし法人カードを使用していれば、当然ながら利用料金の記載された明細書が発行されます。
その明細書があれば、納付状態をまとめて確認ができるため、管理もシンプルになり払い忘れのリスクも抑えられるでしょう。
メリット④|時間と手間のコスト削減
体感的に一番メリットを感じることとして、わざわざ支払いのために郵便局や銀行などに足を運ぶ必要がなくなるという点でしょう。
またオンライン完結にできるため、ネット環境さえあれば24h365日いつでも納付することが可能となります。
法人カードで税金を支払えるサイトとは?
法人カードで税金を納付したい場合、国税庁長官指定の納付受託会社が運営する「国税クレジットカードお支払サイト」というサイトを使用します。
ただし注意点として、このサイトで登録したからと毎回自動で支払いができるわけではありません。
税金の支払いをするごとに、支払い手続きが必要となります。
また具体的な支払い方法については、後に紹介していますので、そちらも併せて確認するようにしてください。
法人カードで支払い可能な税目とは
国税クレジットカードお支払サイトで支払いが可能な税目は、サイト名からもわかるように国税に限られます。
ここでは、具体的にどういった税目が支払い可能なのかについて、表で紹介しておきますので、あらかじめ確認するようにしましょう。
クレジットカード払いが可能な国税の税目一覧 | |
・ 申告所得税及び復興特別所得税
・ 消費税及び地方消費税 ・ 法人税(連結納税を含む) ・ 地方法人税(連結納税を含む) ・ 相続税 ・ 贈与税 ・ 源泉所得税及び復興特別所得税 ・ 源泉所得税 ・ 申告所得税 ・ 復興特別法人税(連結納税を含む) ・ 消費税 ・ 酒税 |
・ たばこ税
・ たばこ税及びたばこ特別税 ・ 石油税 ・ 石油石炭税 ・ 電源開発促進税 ・ 揮発油税及び地方道路税 ・ 揮発油税及び地方揮発油税 ・ 石油ガス税 ・ 航空機燃料税 ・ 登録免許税(告知分のみ) ・ 自動車重量税(告知分のみ) ・ 印紙税 |
また地方税については、地方自治体によりクレジットカード払いができる税目が異なります。
地方税の支払い時には、それぞれの公式HPにて確認するようにしましょう。
中間申告(予定納税)の支払いもできる
法人カードでの税金支払いは、「中間申告」や「予定納税」にも対応しています。
念のためここでは、中間申告や予定納税について知らない方のために、どういうものなのかについて解説していきます。
という方は読み飛ばしていただいて構いません。
中間申告(予定納税)とは
中間申告を簡単にいうと、1年分の法人税や消費税などの納税額が高額だった場合、
といった制度になります。
また個人事業主では、法人税はないですが所得税は納めるでしょう。
その所得税についても、ほぼ中間申告と似たような制度があり、それを「予定納税」といいます。
この予定納税は総額の1/3ずつを支払っていくものとなります。
中間申告(予定納税)が必要になるケース
以下の表に記載の条件が当てはまった場合、この中間申告と納税の義務が発生します。
この納付が遅れた場合は、延滞税が加算されてしまいますので注意が必要です。そのため、法人カードでの支払いであれば、納期限までに支払い手続きは完了しておきましょう。
では本題の中間申告(予定納税)が必要になる条件について、以下に表を載せておきますので、しっかりと確認しておきましょう。
法人の場合 | |
法人税(中間申請) | 前事業年度の法人税額が20万円を超えている場合 |
消費税(中間申請) | 前事業年度の消費税額が48万円を超えている場合 |
個人事業主の場合 | |
所得税(予定納税) | 前年の予定納税基準額が15万円を超えている場合 |
消費税(中間申請) | 前年の消費税額が48万円を超えている場合 |
税金の納付期限はいつまでか
先に少し触れましたが、法人税や消費税などの納付期限が過ぎてしまった場合は、納税額に延滞税が加算されることになります。
不要なコストをかけないためにも、以下の表に記載した納期限については、特に覚えておくようにしましょう。
法人の場合 | |
法人税 | 申告書の提出期限と納期限は決算月の末日から2ヶ月以内 |
消費税 | |
中間申請 | 決算月の末日から半年後より2ヶ月以内
※中間申請が年1回場合:48万円超~400万円以下 |
個人事業主の場合 | |
所得税 | 3月15日 |
消費税 | |
中間申請 | 8月31日
※中間申請が年1回場合:48万円超~400万円以下 |
予定納税 | ・7月1日~31日
・11月1日~30日 |
源泉所得税の支払いはe-TAX経由で
大体の国税については「国税クレジットカードお支払サイト」のみで支払いが完結します。
ただし源泉所得税のみは、「e-TAX(電子申告・納税システム)」を経由し納付する必要があります。
法人カードでの具体的な支払い手順については以下に記載しておきますので、納付時の参考としてみてください。
法人カードでの源泉所得税の納付手順
- e-TAXから徴収高計算書データを作成し送信
- e-TAXのメッセージボックスで受信した内容から「クレジットカード納付」をクリック
- アクセスした国税クレジットカードお支払サイトの手順に従い納付手続き
- e-TAXのメッセージボックスに完了通知が来ているか確認
法人カードで税金支払いをする方法とは
では、実際に国税を法人カードで納付する際は、どのような手順を踏んでいけばいいのかについてここでは紹介しておきます。
主な手順は次の通りです。
- 国税クレジットカードお支払いサイトを開く
- 納付情報を入力していく
- 法人カードの情報を入力していく
- 税金支払いの内容を確認していく
- 納付手続きの内容を保管する
ではそれぞれについて、詳しく紹介していきます。
手順①:国税クレジットカードお支払いサイトを開く
まずは入力がスムーズにいくように、
- 納付書や国税の申告書
- 税金支払いを行う法人カード
を手元に用意しておきましょう。
次に「国税クレジットカードお支払サイト」にアクセスし、そこに表示される注意事項に目を通し、確認のチェックを入れ「同意」をします。
手順②:納付情報を入力していく
手順①が終わると、利用者の情報として以下の情報を求められますので入力していきましょう。
- 氏名
- 郵便番号
- 住所
- 電話番号(日中連絡がつく番号)
- 整理番号(わからなければ空白も可)
※整理番号:納付書の右上にある8桁の番号のことです。
次に納付先の税務署を指定し、納税科目を選択していきましょう。
その際は、手元に用意しておいた納付書などを確認しながら、入力をしていくようにしてください。
入力を終えたら「次へ」を押します。
手順③:法人カードの情報を入力していく
次は法人カードの情報を入力していきます。
必要情報を入力し終えたら、「納付手続き完了メール」を受け取るためのメールアドレスを入力しておきましょう。
入力を終えたら「次へ」を押します。
手順④:税金支払いの内容を確認していく
ここまで入力してきた情報を確認していきます。
納付手続きの際に誤入力があったとしても、その手続き自体を取り消すことができないため、しっかりと確認するようにしてください。
入力情報に特に問題がないのであれば、「納付」を押します。
手順⑤:納付手続きの内容を保管する
ここまでで、法人カードによる税金支払い手続きは完了しました。
ただし、もうひとつ忘れてはいけないことがあります。
手続きを終えると、完了ページとして手続き内容が見れる画面となります。
このページは、後日再度見ることはできないため、印刷などをして各自保管しておくようにしましょう。
そこまでできれば、すべての手順が完了となります。
法人カードで税金を支払う際の注意点4つ
法人カードで税金の支払いをする際、無駄な手間の発生や金銭面で損をしないためにも、いくつか注意が必要です。
ここでは、具体的にどういった点に注意していけばよいのかについて、順に紹介していきます。では早速みていきましょう。
注意①|法人カードの種類
法人カードといっても通常の法人カードもあれば、コーポレートカードやデビットカードなどもあるでしょう。
しかし通常の法人名義のクレジットカード以外では、税金の支払いがカード会社によって使用できないこともありますので、各カード会社へ一度問い合わせる必要があるでしょう。
また、税金支払いができる法人カードのブランドについてですが、これについては幅広く対応していますので、特に心配することはないでしょう。
念のため、以下に使用可能なブランドの一覧を記載しておきます。
- VISA
- MasterCard
- JCB
- American Express
- Diners Club
- TS CUBIC CARD
注意②|支払い方法
法人カードでの支払い方法については、「リボ払いにしない」ようにしましょう。というのも多くの場合、この支払方法だと年利が「15%」程度となり、延滞税よりも高くなりがちです。
延滞税については、納期限より2ヶ月経過するまでは年利「7.3%」で、リボ払いの年利の1/2ほどとなります。
もしどうしても資金繰りが厳しいのであれば、「支払うべき税金を滞納し、支払いを遅らせる」などして対応しましょう。
注意③|支払い額の誤入力
納付手続が完了した後で、仮に支払い額に誤入力があったなどして修正をしたくとも、国税クレジットカードお支払サイトでは取り消しやキャンセルができません。
それがたとえば、多額の納付を法人カードで行ってしまった場合、還付手続きをするために税務署に後で出向く手間が発生します。
そういった不要な手間が発生しないよう、あらかじめしっかりと納付額については確認をする必要があるでしょう。
注意④|利用限度額
法人カードには利用限度額がありますが、納税額はそんなに安いものではないため、すぐにこの利用限度額に達してしまうことも珍しくありません。
それらも考慮して、納付するのに使用する法人カードは、利用限度額が高めに設定されているゴールドやプラチナを選択するべきでしょう。
もし仮にそれが難しいのであれば、その月だけ利用限度額を増額する方法もあります。
ただし、事前に申し込みが必要なうえ審査もあるので、余裕をもって増額対応はしましょう。
法人カードでの税金支払いのコツ
法人カードで税金を支払う際、少しの工夫を取り入れるだけでも、さらに手間やコストの削減が図れるものです。
ここでは、より賢く税金の支払いをしていくためのコツを紹介しておきますので、目を通しておくようにしましょう。
税目によって法人カードを使い分ける
これは少ない税額であれば現段階で問題ないでしょうが、納税額が増えてきた際には問題となります。
たとえば、
- 利用限度額がもともと低い場合
- 高額の納税額が発生している場合
では、納税額の全てを1枚の法人カードでは支払いができないケースもあるでしょう。
また、税金をクレジットカード払いで行う際の利用限度額は、1回あたり1,000万円未満と決められています。
それらを踏まえると、現段階は問題ないにしても将来的なことも考慮し、あらかじめ税目ごとに使用すべき法人カードは分けておく必要があるといえます。
法人カードの使い分けの理由はもう一つあります。
それは納税したか否かの確認をする際の手間が、一段と楽になる点です。
法人カードの使い分けをしていれば、明細書も当然分けられますから、明細書ごとに納付の有無を簡単に確認できるようになります。
nanacoで決済手数料のコストカット
税金を法人カードから支払う場合、決済手数料として「1万円を超えるごとに82円ずつ加算」されることはすでにお伝えしました。しかし、この決済手数料がnanaco払いにすると一切かかりません。
またクレジットカード払いでnanacoにチャージを行えば、法人カードにポイントも付与されます。
これらは少しでも経費を削減したい方にとっては、特にありがたい恩恵といえるでしょう。
しかし、そんなnanaco払いにもいくつか条件があります。主な条件としては以下に挙げる内容となります。
- 上限チャージ額が10万円(センター預かり利用時)
- nanacoカード1枚につき、クレジットカード1枚の登録が必要
- 1回の清算で利用できるnanacoカードの枚数は利用加盟店により異なる
これらを踏まえると、納税額が20万円以内であればnanaco払いとし、それ以上であればクレジットカード払いで対応するとよいといえます。
税金支払いにおすすめの法人カードとは?
さてここまでで、法人カードで税金支払いをするにあたって、必要な知識をお伝えしてきました。
ここでは、税金をクレジット払いすることを前提に、おすすめの法人カードはどれかについて紹介していきます。
還元率UPが狙える!オリコEX Gold for Biz
申込み資格 | 個人事業主・法人代表者 |
年会費 | 2,000円(初年度無料) |
利用可能ブランド | VISA
MasterCard |
利用限度額 | 10~300万円(増枠不可) |
ポイント還元率 | 0.6% |
マイル還元率 | ANA:最大0.66%
JAL:最大0.66% |
付帯保険 | ・カード盗難保険
・海外旅行傷害保険 ・国内旅行傷害保険 ・ショッピング保険 |
カード特徴 | |
・利用額に応じてポイント還元率がUP(最大200万円の利用で1.1%)
・ANA・JAL両方のマイルを貯めることが可能 ・クラウド会計ソフトfreeeの利用料割引 |
国税支払いに対してのポイント還元率が改悪されるカードもあった中、「オリコEX Gold for Biz」では基本ポイント還元率こそ「0.6%」ですが、利用額に応じてポイント還元率が段階的に上がる仕組みになっていますので、ポイント還元率を最大1.1%までUPさせることが可能です。
ただし、利用限度額の増枠ができないことを考慮すると、納税額がそこまで高額でない場合に使用すべき法人カードとなります。
また審査については、各法人カードの中でも比較的通りやすいカードといえるでしょう。
JALマイルが貯まる!セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
申込み資格 | 個人事業主・法人代表者 |
年会費 | 22,000円 |
利用可能ブランド | American Express |
利用限度額 | 100~1000万円 |
ポイント還元率 | 0.5% |
マイル還元率 | JAL:最大1.125% |
付帯保険 | ・カード盗難保険
・海外旅行傷害保険 ・国内旅行傷害保険 ・ショッピング保険 |
カード特徴 | |
・永久不滅ポイント
・年間利用額が200万円以上で年会費半額 ・コンシェルジュ・空港ラウンジ優待が充実 |
法人カードである「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカンエクスプレスカード」を選ぶ利点は、利用限度額が充分に確保されている点とマイルが貯めやすい点でしょう。
また200万円以上の納税額を納めているのであれば、年会費についても半額となります。
出張などでJALを利用することが多いのであれば、間違いなくお得な法人カードとなるでしょう。
ANAマイルが貯まる!ANA JCB法人ワイドゴールドカード
申込み資格 | 個人事業主・法人代表者 |
年会費 | 19,000円 |
利用可能ブランド | JCB |
利用限度額 | 50~250万円 |
ポイント還元率 | 0.3% |
マイル還元率 | ANA:最大1.075% |
付帯保険 | ・カード盗難保険
・海外旅行傷害保険 ・国内旅行傷害保険 ・ショッピング保険 |
カード特徴 | |
・マイルの移行手数料が無料
・空港ラウンジが無料で使用できる ・「国内宿泊オンライン予約」で旅行代金を支払うとポイント5倍 |
法人カードの「ANA JCB法人ワイドゴールドカード」は、マイルの還元率が高いこともあり、ANAマイルを貯めたい方にとって最も有力な候補となりそうです。
また他のANA JCB法人カードでは、マイルの移行に「年間5,000円」の手数料がかかってしまいますが、ワイドゴールドではそれが無料となります。
ANA利用が多い方は、この法人カードで効率よくマイルを貯めていきましょう。
また他にも法人カードを見てみたいという方は、以下の記事も参考になるはずです。
目を通してみましょう。
法人カードおすすめ24選を比較!迷わない選び方や目的別おすすめも法人カードで賢く税金の支払いをしよう
ここまでで、法人カードで税金を支払うのに必要な知識と支払い方のコツ、さらにおすすめの法人カードについても紹介してきました。
法人カードで納税をすることは、資金繰りの面ではもちろん、コスト面でも大きな支えとなります。
ここで紹介してきた注意点はしっかりと把握しておき、また支払いのコツを上手く取り入れ、法人カードで納税するメリットを最大化していきましょう。
きっと強い味方となるはずです。