法人口座開設で審査落ちの理由とは?その対策方法を徹底解説

法人口座開設で審査落ちの理由とは?その対策方法を徹底解説

せっかく法人口座開設に申し込んでも、審査に落ちてしまい、

事業に支障が出そうだ・・・

と不安を抱えている方も中にはいるでしょう。

実は、審査に落ちてしまったことには、理由があります。

法人口座を扱う金融機関は、審査が通らなかった理由を基本的に非公開としているため、その理由をもとに対策するのは困難だと思われるでしょう。

しかし、なぜ落ちたのかと理由を考え、対策を行うことはできます

そこで考えられる理由はなんなのか、その理由への対策方法はなにかについて、ここでは解説していきます。

また審査に通すためのコツも徹底解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

なお、個人事業主は法人口座を開設することはできませんが、これから法人に移行し、法人口座を申し込みたい個人事業主でも必見です!

法人口座の審査基準をまとめてみた

法人口座の審査基準をまとめてみた

法人口座は個人口座と異なり、審査があります。

その審査基準は何なのかと気になる事業者がいる一方、クレジットカードやローンを申し込んで資金を融資するわけではないので、審査は甘いと考える事業者はいるでしょう。

しかし、法人口座の審査は甘くありません

なぜかというと、法人や事業の実態などが不明確な法人に対して、金融機関は法人口座の開設を認めないからです。

仮に認めたとしても、それが犯罪組織またはそれに関係する企業だったら、金融機関の信用問題に関わってくる可能性も大きくなります。

だからこそ、法人への口座開設の審査は厳しくなるのです。

審査基準の話しに戻りますが、審査基準は何なのかについても、金融機関は公開していません。

そこで、考えられる審査基準を、以下のように6つ挙げてまとめてみました。

  1. 登記されている住所と一致しているか?
  2. 法人の実態はあるか?
  3. 事業内容が明確となっているか?
  4. 資本金は金融機関が定めている要件を満たしているか?
  5. 固定回線を引いているか?
  6. 法人口座を開設する明確な目的はあるか?

では、それぞれについて解説していきます。

1:登記されている住所と一致しているか?

法人登記がされている住所と、法人がある住所が一致しているかについてです。

つまり、法人登記がされている住所と違う場所に法人がある場合、審査基準の要件を満たしていないとして、審査の通過が認められないというわけです。

これに関しては、クレジットカードやローンなどの申し込みも同じでしょう。

法人カードや法人向けローンなどを利用するときも、登記されている住所と、法人がある住所と一致しなければなりません。

こうしたズレが発生しないように、もし法人を移転するときは、法務局で移転の手続きを取るようにしましょう。

2:法人の実態はあるか?

法人の実態があるかというポイントも、審査基準を満たす要因となります。

法人登記はされているものの、法人の実態がなければ、法人口座の開設を金融機関は認めません。

法人の実態があり、事業活動が明確になっていれば、法人の実態があるかという審査基準を満たしたということになります。

しかし、法人の実態があり、事業を積極的に行っているにも関わらず、法人の実態がないという手続き上の問題のケースが少なからず存在します。

この場合、法務局で法人登記に関する手続きを行っていない可能性があるということです。

登録の有無に関する問題で、法人口座の審査が通過できない場合があるので、まずは法務局で法人登記に関する手続きを行っているかをチェックしましょう。

行っていない場合は、法人登記の登録手続きを行うようにしてください。

法人の作り方の手順とは!事前準備や登記後に行うべきことも法人の作り方の手順とは!事前準備や登記後に行うべきことも

3:事業内容が明確となっているか?

事業内容が明確になっていることもまた、法人口座開設の審査基準のひとつです。

事業内容と言っても多種多様なのですが、こういった事業を行っていることを明確にできれば、審査の通過は期待できます。

第三者から見てわかるような事業が望ましいでしょう。

しかし、中には多種多様な事業を行っている法人も多く存在します。

それでも事業内容の明確の審査基準を満たせるのかと言えば、多少不安はありますが満たせます。

ただし、先ほど説明しましたが、第三者から見てわかるような事業でなければなりません。

あまりに多種多様過ぎても、結局何をしている会社かがわからなければ、審査する側の不安は拭えなのです。

4:資本金は金融機関が定めている要件を満たしているか?

資本金は金融機関が定めている要件を満たしているかという部分も審査基準のひとつです。

もう少し具体的に説明しますと、資本金が低過ぎると、審査基準を満たすことができません。

なぜかというと、ペーパーカンパニーと疑われる可能性があるからです。

最低、どれくらい資本金を積めば良いのかと言うと、100万円以上はあったほうが良いといえます。

数十万円でも審査に通過した例もありますが、多いに越したことないでしょう。

5:固定回線を引いているか?

固定回線の引いているかという部分も、法人口座の審査基準のひとつになります。

なぜ固定回線の有無だけで審査基準になるのかというと、法人の実態の有無を確認する方法になためです。

また固定電話を持っているということは、しっかりとした会社というイメージに直結します。

それが、携帯電話の番号では、大半の方は信用ができないのではないでしょうか。

固定回線を敷くメリットは、法人口座の審査基準を満たすだけでなく、法人カードや融資など、これらの審査を満たす要因にもなります。

また、どしても固定電話の設置が難しいというのであれば、「050」番号を取得するか電話代行サービスを活用するのも手です。

コレであれば、携帯電話よりも信用性がありますので、一度試してみてもいいでしょう。

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6:法人口座を開設する明確な目的はあるか?

法人口座を開設する明確な目的があるかというポイントも、法人口座開設の審査基準のひとつとなります。

法人口座は法人設立した後に、法人口座開設の義務はありません。

しかし、法人口座を開設することで、

  • 名義が法人名義となる
  • 法人のお金の流れが把握しやすい
  • 社会的信用が高くなる

などのメリットが得られます。

注目していただきたいのが、法人のお金の流れが把握しやすいというポイントです。

法人口座を開設せず、従来通り事業者の個人口座での利用は可能ですが、それだと事業者個人と法人の資金が混ざってしまいます

事業者と法人の資金が混ざってしまわないように、法人口座を開設し、事業者個人と法人の財産を別々に分けるのです。

そうすることで、法人のお金の流れが把握しやすくなるでしょう。

社会的信用が高くなるというポイントですが、金融機関の審査を通過して法人口座の開設に至ったので、取引先からの信用だけでなく金融機関からの融資を受けやすくなります。

法人口座の開設理由は、「自分と法人のお金を別々に管理するために必要なことだから」で十分だと言えるでしょう。

自分と法人の財産を別々に管理するために、法人口座は必要であるのが根拠だからです。

法人口座の審査落ちの理由と対策方法8選

法人口座の審査落ちの理由と対策方法8選

法人口座の審査に落ちた、考えられる理由をまとめるだけでなく、その理由に応じた対策方法を紹介いたします。

審査に通過するための理由がないわけではなく、理由があるから落ちると考えたほうがいいでしょう。

なぜなら、落ちる理由がなければ、法人口座の審査落ちはあり得ないからです。

では早速、審査に落ちてしまう理由を8つ挙げて、それぞれの対策を紹介していきます。

当てはまるものはすべて解消し、これからのものについては、何度も確認をするようにしましょう。

1:書類不備のため

書類不備も法人口座の審査落ちの要因となります。

金融機関は法人口座の審査基準を公開しておりませんが、申し込み方法や申し込みに関する条件は公開されています。

また、必要な書類は何なのかも窓口で問い合わせることも可能です。

対策としては、埋められる項目はすべて埋めること。

また、法人口座申し込みに関する書類を提出する前には、書類の不備などを何度も確認することです。

ちょっとした誤字でさえも、審査落ちの対象となりますので、一文字ずつ確認しておくようにしてください。

2:金融機関が定めている資本金の要件を満たしていない

金融機関が定めている資本金の要件を満たしていないというポイントも、審査落ちの要因となります。

「資本金は金融機関が定めている要件を満たしているか?」という見出しでも説明しているので、ある程度は省略しますが、資本金が非常に少なすぎる場合では審査通過が見込めないでしょう。

この審査を通過するには、少なくても数十万円以上の資本金が必要と考えておくようにしてください。

3:法人の実態がない

法人の実態がなかったら当然、法人口座の審査通過が見込めません。実態のない法人は、詐欺会社の可能性を持たれ、法人口座の開設を認めないためです。

法人の実態を明確にすることが、唯一の対策方法となるわけですが、このポイントに該当する法人は非常に少ないのではないでしょうか。

そもそも実態を明確しない状態では、しっかりとした事業活動ができません。

「実態がない=詐欺会社」と捉えられても、仕方がないということですね。

4:法人の実態があっても事業の実態がない

法人の実態があっても事業の実態がない会社を、ペーパーカンパニーと呼びます。

金融機関は、ペーパーカンパニーに対する法人口座の開設を認めないので、審査の通過が見込めません。

節税対策のために、ペーパーカンパニーを設立している法人は少なからず存在しますが、この法人では口座取得が難しいのです。

また、事業実態をアピールできない状況も、「事業実態がない」ものとして扱われてしまいます。

この点での対策は、しっかりと自社HPを作成して、事業活動やその風景画像などをわかりやすく掲載することです。

また、名刺や会社パンフレットもあると、より望ましいでしょう。

手間はかかりますが、面倒がらずにひとつずつ解消していってください。

5:法人登記している住所がバーチャルオフィスなど

法人登記している住所がバーチャルオフィスなどの場合、法人口座の審査通過は厳しく、この要因だけで審査落ちになる可能性があります。

バーチャルオフィスとは簡単に説明すると、「住所だけを借りるオフィス」です。

東京都の一等地などに住所を構えると、法人のブランドが向上し、その目的のために利用している法人は多く存在します。

しかし、バーチャルオフィスだからと言って、法人口座を開設できないとはかぎりません。

バーチャルオフィスであろうと、法人と事業の実態が確認されれば、法人口座の審査通過が認められ、開設に至る見込みもあるのです。

また法人口座開設の実績のあるバーチャルオフィスを選ぶことも大切なこととなります。

東京都内のバーチャルオフィスおすすめ18選!コスパの良いところを紹介東京都内のバーチャルオフィスおすすめ19選!コスパの良いところを紹介

バーチャルオフィスで法人口座の開設を希望している事業者は、口座開設先の金融機関に、法人と事業の実態などをうまく説明できるかどうかも鍵となるでしょう。

6:電話番号が携帯電話である

電話番号が携帯電話である場合、法人口座の審査通過が見込めません。

仮に携帯電話でつながったとしても、法人の実態があるか、事業の実態があるかなどが疑われて、審査落ちになってしまうのがほとんどだからです。

対策としては、固定電話を導入することにあります。

固定電話は、法人や事業の実態の有無を確認するための方法のひとつです。

また法人口座開設だけでなく、法人カードや融資でも、固定電話の有無を金融機関は審査基準に入れていることがほとんどでしょう。

固定電話を導入していない法人はほとんどないので、法人設立後に導入することが求められます。

7:社会的信用が低い法人であるため

社会的信用が低い法人であるという理由だけで、法人口座の審査落ちになるというケースも少なからずあります。

社会的信用とは法人にとってなにかと考える事業者もいますが、明確な定義というのがありません。

実は法人にとっての社会的信用は、企業の三面性にあります。企業の三面性とは、

  • 経済性
  • 人間性
  • 公共性

この3つが挙げられます。

経済性とは、法人がどれだけ利益を上げているかにあり、業績によって社会的信用に大きく関わるというものです。

人間性とは、雇用している社員をどれだけ大事にしているかにあります。

社員の使い捨てが目立てばラック企業」のレッテルが張られ、社会的信用に大きく関わってきます。

問題のある社員を解雇にするのは当然ですが、その問題のある社員を放置し、優秀な人材が次々と転職してしまっているというのもまた問題となるのです。

公共性とは、社会にどれだけ貢献しているのかを意味します。

社会に対する貢献度が強ければ強いほど、社会的信用が全体的に高くなっていくのです。

これらの企業の三面性を強くしていくことが、社会的信用を上げることにつながるでしょう。

8:反社会的勢力との関係があるため

反社会的勢力との関係を持った時点で、法人口座の審査落ちの理由になります。

法人口座の審査を通過できるのに、反社会的勢力との関係を持ったら、その時点で法人口座開設の審査が通らなくなるのです。

反社会的勢力との関係を持たないことが、法人にとって重要だと言えます。

メガバンクで法人口座の審査に通過するためのコツ

メガバンクで法人口座の審査に通過するためのコツ

法人口座開設の審査に落ちてしまう理由と対策についてみていきました。

ここからは、さらに審査を通過しやすくするためのコツについてもみていきましょう!

紹介するコツは3つです。メガバンクで法人口座の開設をする際には、ぜひお役立てください。

1:かならず直接銀行の窓口へ行くこと

メガバンクで法人口座開設をする際には、申込み方法として「インターネットから」「実店舗の窓口から」の2種類があります。

とくに事業歴が浅い場合では、避ける時間があまりないため、ネットから法人口座の開設申込みをしてしまう方もいるでしょう。

しかし、しっかりと自社についてアピールしたいのなら、ネットでは不十分なのです。

またネットからの申込みの場合、スコアリング方式での審査となることが大半で、その点数が悪い場合では挽回する余地すらありません

対面であれば、人柄などのネットだけでは伝えられなかった自社の情報も、しっかりとアピールすることができるのです。

2:プレゼンをする気持ちで臨むこと

対面での法人口座開設の面談でやってしまいがちなこととして、「銀行員から言われた質問だけに淡々と答えるだけ」というものがあります。

質問に答えてるのにダメなの?

と疑問に思う方もいるかもしれませんが、ダメなのです。

対面という形式は、自社が信頼できるものであるのかをアピールする絶好の形式です。

それにも関わらず、淡々と答えるだけでは、アピールしきれないのではないでしょうか?

つまり、銀行員に自社をプレゼンする場として考えるべきなのです。

具体的に何をするべき?

という点ですが、以下のような書類は必ず持参するようにしてください。

POINT
  1. 自社のパンフレットや自社のHP
  2. 自身の名刺(必要情報がしっかりと明記されたもの)
  3. 取引先との契約書や請求書

とにかく自社をアピールできる材料は、多いに越したことはありません。極力準備をしていってください。

またプレゼンとして考えるわけですから、言動にも注意しなくてはなりません。

具体的に以下に該当するような場合は、要注意です。

面談でNGな言動
  • 服装がだらしない
  • 清潔感がない
  • 口調がハキハキしていない
  • 丁寧さに欠ける

要は、信頼できなそうな雰囲気がNGということになります。

堂々と誠実な対応で法人開設の面談は臨みましょう。

3:法人成りなら納税証明書も持参すること

これは主に、個人事業主から法人化した場合のコツとなります。

まず銀行側は、とにかくあなた自身会社の信頼度がどの程度あるのかをみています。

ましてや取引したことのない、得体のしれない相手なわけですから、身構えるのは当然でしょう。

だからこそ、信用性の高い資料でアピールすることが有効なのです。

そのひとつが「納税証明書」となるわけですね!

納税証明書で、所得税などを滞納することなく納めている証拠があれば、銀行側も安心できる人物だと認知してくれます。

そういった方がしっかりと自社プレゼンをすれば、発言も信頼しやすいのではないでしょうか?

もし納税証明書があるのであれば、こちらもしっかりと持参していきましょう。

会社の実績がないのならネット銀行も検討してみよう

ネット銀行の中には、会社実績がなくても審査を通してくれるところが多くあります。

バーチャルオフィスであっても審査通過するケースがあるなど、比較的に間口が広いともいえるでしょう。

ネット銀行は、まだまだ取引先からの「信頼性が低い」とネガティブに捉えられることもあります。

また税金などの支払いもできません

しかし手数料が非常に安く、会社設立したばかりの方にとっては、好都合であることも事実なのです。

まずはネット銀行で実績を積み、その実績を持ってメガバンクの法人口座開設に臨むのも手でしょう。

その実績がしっかりとしていれば、圧倒的に審査に良い影響を与えてくれます。

法人口座開設はネット銀行で!おすすめと審査に落ちないための対策も法人口座開設はネット銀行で!おすすめと審査に落ちないための対策も

法人口座開設の審査落ちは対策次第で回避できる

さて、法人口座開設で審査落ちの理由とその対策方法について、ここまでで解説してきました。

法人が堅実に事業を行っているのなら、法人口座開設の審査は多くのケースで通ります。

仮に通らない場合はそれ相応の理由が必ずあり、自身がその理由にマッチしないことが、開設への最も近い道といえるでしょう。

とにかく銀行員をどれほど信用させられるのか、またその根拠はなにかを明確にすることが大切です。

いくら偽ったとしても、今の時代ではかんたんに見破られてしまいます

誠実に堂々と法人口座の開設をめざしていきましょう。

ここで紹介した内容を再度おさらいし、準備を徹底していってくださいね!

そして事業拡大のための法人口座開設を達成していきましょう!

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