ビジネスローンの仕訳方法とは?経費や勘定科目も含めて徹底解説

ビジネスローンの審査が通り、資金繰りの目途が立ったのは喜ばしいことなのですが、気になるのは、そのビジネスローンの仕訳方法です。

もう少し深掘りしていくと、いくつか気になる点があります。

その気になる点とは主に、

  • ビジネスローンの返済は経費として計上ができるのか
  • ビジネスローンで借りた資金を経費として、どこまで計上できるのか
  • ビジネスローンの勘定科目はどうなるのか

などが挙げられます。

そこで今回、ビジネスローンの仕訳方法だけでなく、経費や勘定科目などについて、解説いたします・

【ビジネスローンの一般的な仕訳方法とはなにか?

ビジネスローンの資金が振り込まれたら、借入金として、仕訳しなければなりません。

具体的に説明すると、このような感じとなります。

摘要 借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
普通預金 1,000,000円 借入金 1,000,000円

例えば、ビジネスローンで100万円借りたとします。

すると、こういった状態になるわけです。

ビジネスローンには「長期借入金」と「短期借入金」の2種類があるのですが、個人事業主の場合は、単に「借入金」として計上しても、問題はありません。

摘要とは、取引内容の記入欄です。どのような取引があって、この金額になったことを追記するというものです。

例えば「PC用品を○○電気店から購入」など、短くかつわかりやすい内容にまとめておけば、問題ありません。

長期借入金と短期借入金については、ビジネクストが提供するビジネスローン(名称:事業者ローン)の内容を例に挙げて説明すると、

  • 元利均等返済=長期借入金
  • 元金一括返済=短期借入金

このようになります。

返済期間に違いがあり、もう少し深掘りしてみると、

  • 長期借入金は最長5年
  • 短期借入金は最長1年

となるのです。

なお、借方と貸方とはなにかというと、

  • 借方は「資産の増加・負債と資本の減少・費用の発生」
  • 貸方は「資産の減少・負債と資本の増加・収益の発生」

もう少しわかりやすく説明すると、

借方 貸方
資産 増加 減少
負債 減少 増加
資本 減少 増加
発生 費用 収益

このようになります。

しかし、重要になるのは、ビジネスローンにおける経費と勘定科目についてです。

どれが経費で、勘定科目の名称はどのようにすればいいのかと、ほとんどの方は悩むでしょう。

そこで、該当する経費と、勘定科目の内容について、詳しく解説していきます。

ビジネスローンの金利を経費として計上が可能

ビジネスローンそのものを経費にすることはできませんが、そのビジネスローンにかかる金利なら、「利子割引料」という勘定科目で、経費として計上が可能です。

しかし、金利を経費として計上できるなら、高金利でも問題ないのではと考える方が中にいます。

その考え方は、非常にリスクが大きいです。

なぜなら、経費は税金の対象外になるとはいえ、支払いの負担が重くなることに、変わりがないからです。

重要なのでもう一度説明しますが、ビジネスローンの借入金は、経費として計上できないことをご理解ください。

融資にかかった諸経費なども経費として計上が可能

融資にかかった諸経費とは、

  • 印紙代(勘定科目:租税公課)
  • 事務手数料(勘定科目:支払手数料)
  • 保証料(勘定科目:支払手数料)
  • 登記費用(勘定科目:租税公課)

などが挙げられます。

登記費用については、不動産を担保にした場合に発生する費用なので、不動産を担保にしない場合は、除外しても良いでしょう。

保証料は、保証会社からの保証を付けることで発生する費用なのですが、この保証料を「支払手数料」という勘定科目で、経費として計上することが可能です。

融資にかかった諸経費の多くが経費の対象となりますので、節税のために、有効的に利用しましょう。

ビジネスローンの勘定科目とは?

勘定科目とは、収益と費用、資産や負債などを記録するのに用いられた表示名称です。

決算書を記入するとき、勘定科目を利用した仕訳が必要となります。

しかし、経費に該当する勘定科目はどのようなものになるのかが気になるところです。

そこで、経費に該当する勘定科目をいくつか挙げてみました。

  • 租税公課:事業に関係する税金および公的の書類の発行にかかった手数料。収入印紙や消費税などに該当します。
  • 荷造運賃:梱包材にかかった費用と送料です。
  • 水道光熱費:事業にかかった水道と電気代と暖房費(ガス代と灯油代など)です。
  • 通信費:インターネット使用料と電話代、手紙などの送付費用も含まれます。
  • 損害保険料:事業資産に関係する保険料や、事業用の自動車保険料などに該当します。
  • 消耗品費:10万円未満の消耗品が対象になるのですが、具体的に説明すると、文房具やコピー用紙、事務用品やホワイトボード、机や椅子など、耐久期間が1年未満の物品に該当します。
  • 福利厚生費:従業員を対象とした制服代や健康診断費などに該当します。
  • 給与賃金:従業員の給与やその他手当などが挙げられます。
  • 支払手数料:販売手数料や振込手数料や代引き手数料などに該当します。
  • 利子割引料:ビジネスローンなどの融資にかかる金利手数料などです。

挙げた勘定科目の内容を説明しましたが、その他の勘定科目は数多く存在します。

しかし、経費について注意していただきたいです。

経費は、事業を行う上で発生する費用なのですが、その費用分の税金が全額控除されます。

例えば、年間の収益が500万円で、そのうち100万円が経費として計上されたと仮定して説明すると、「500万円-100万円=400万円」となり、その400万円が税金の対象になるわけです。

経費として計上しなかった場合、収益の500万円自体が税金の対象となります。

経費は節税において重要不可欠になるのですが、事業とは関係ない費用を経費として計上した場合、「業務上横領罪」または「詐欺罪」になる可能性があるので、注意しましょう。

ビジネスローンの仕訳方法を詳しく解説

ビジネスローンの仕訳方法を解説していくのですが、今回は借入金と返済金を別々に分けて、説明いたします。

借入金の仕訳方法

ビジネスローンで100万円を元金一括返済で借り入れしたと仮定すると、

摘要 借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
〇〇会社 ビジネスローン融資 普通預金 1,000,000円 短期借入金 1,000,000円

基本的にこのような状態となります。

ビジネスローンで100万円を借り入れると、預金口座にその100万円が入金されるので、資産が増加したとして借方のほうに記入します。

反対に、100万円の借入で負債が増加したので、貸方の勘定科目が借入金100万円となります。

今回はビジネスローンを利用したので、摘要に「〇〇会社 ビジネスローン融資」と記入しました。

その会社のビジネスローンを利用して、100万円を借り入れたという内容です。

勘定科目を単純に記入するだけでなく、その取引内容を摘要に記入することで、詳細の内容がわかるというものです。

返済金の仕訳方法

今度は返済金の仕訳方法についての説明です。

ビジネスローンだけでなく、その他のローンでも、お金を借りたら返すのが基本です。

しかし、返済金の仕訳方法はどうすればいいのかと悩む方がいるでしょう。

ビジネスローンを利用して120万円を借りて、月々の支払い料金10万5千円が引き落とされたと仮定すると、

摘要 借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
〇〇会社 ビジネスローン返済 短期借入金 100,000円 普通預金 105,000円
利子割引料 5,000円

このような計算になります。

利子割引料とは、「ビジネスローンの金利を経費として計上が可能」という見出しでも触れましたが、これは金利のことを指し、さらに経費の対象となります。

なお、金利は大雑把に入力しただけで、実際にこのような綺麗な金額になることはほとんどないことをご理解ください。

話しを戻しますが、全然わからないという方に向けて、わかりやすく説明すると、貸方の10万5千円の支払いが発生したということになります。

借方は負債と費用発生の部類に入るので、借入金と利子割引料を借方のほうに記入しました。貸方に普通預金を記入したのは、資産の減少が理由です。

本来であれば、普通預金のほうに借方を記入すべきでしたが、今回は資産が減少したので、貸方のほうに「普通預金」と記入しました。

摘要欄には「〇〇会社 ビジネスローン返済」と記入すると良いでしょう。

このように、資産が増加したら借方、負債が増加したら貸方と、勘定科目の属性を分けたほうが、わかりやすいと言えます。

ビジネスローンの仕訳方法についての注意点

ビジネスローンの仕訳方法についての注意点とは、

  • 利息返済と元本返済を分けて記帳すること
  • 借方と貸方の金額を必ず一致させなければならない

などが挙げられます。

注目していただきたいのが、借方と貸方の金額を必ず一致させなければならないというポイントです。

ビジネスローンに限った話しではありませんが、どのような仕訳でも、借方と貸方の金額が必ず一致いたします。

しかし、一致しない場合は、

  • 単純な入力のミス
  • 経費の内容を意図的に偽っている

などの可能性があります。

一番の可能性として考えられるのは、単純な入力ミスです。

入力ミスは誰でもあることなので、おかしいなと思ったら、もう一度計算し直してみましょう。

利息返済と元本返済を分けて記帳すること

「ビジネスローンの勘定科目とは?」という見出しでも触れていますが、利息返済と元本返済を分けて記帳する理由は、

  • 元本はどのくらい返済したのかわからないから
  • 利息はどのくらい支払っているのかわからないから
  • 利息は経費として計上が可能だから

などが挙げられます。

ビジネスローンで借り入れた元本は、経費の対象外となります。

理由は、元本返済は経費ではなく「負債」に該当し、仕訳帳で記載するなら「貸方」の属性となるからです。

加えて、毎月の返済で負債が徐々に減っていきます。

ビジネスローンに限った話しではありませんが、「借りたお金を返しているだけ」なので、損益に関係ありません。

したがって、経費としての計上が認められないのです。

そのため、経費としての計上が認められている利息または金利と、逆に経費として認められない元本と、それぞれ分けて、仕訳をする必要があります。

個人事業主または自営業者にも仕訳方法に関して注意点がある

今までの説明は、法人向けの傾向が強かったのですが、個人事業主または自営業者に向けた、ビジネスローンの仕訳方法を説明していきます。

個人事業主および自営業者がビジネスローンを利用し、100万円借り入れたと仮定して説明すると、

摘要 借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
〇〇会社 ビジネスローン融資 普通預金 1,000,000円 借入金 1,000,000円

通常はこのような仕訳となります。注目していただきたいのが、貸方の勘定科目のほうです。

法人の場合は、短期借入金もしくは長期借入金と記入するのですが、個人事業主であれば、単純に「借入金」と記入しても問題ありません。

しかし、これはあくまで、事業用口座への入金を行った場合の仮定です。

事業用ではない、プライベートや生活費などで利用されている口座への入金を行った場合、5万円分の生活費を事業用口座から引き出したと仮定すると、

摘要 借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
事業主貸 50,000円 普通預金 50,000円

このように区別していきます。

一方、事業資金が足りず、プライベート口座から8万円を下ろして、足りない事業資金に充てたと仮定すると、

摘要 借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
普通預金 80,000円 事業主借 50,000円

事業主借という勘定科目を利用するのです。

事業主貸と事業主借の違いを簡単に説明すると、

  • 事業主貸:事業のお金を事業主個人のために、事業用口座から引き出す勘定科目
  • 事業主借:事業に必要な資金を事業主個人が、事業用口座に不足分を補填する勘定科目

このようになります。

ビジネスローンの一部をプライベートのために使用するのは、決して悪いことではありませんが、その場合は、事業用とプライベート用を仕訳する必要があります。

そうしないと、税務調査などで問題が発生する可能性があるからです。

会計ソフトの利用について

しかし、最近の仕訳方法として利用されているのは、会計ソフトです。

その会計ソフトを用いることで、経理初心者や簿記が全くわからない方でも、仕訳を簡単に行えることが可能とされています。

会計ソフトのメリットは、先ほど申した通りなのですが、デメリットは会計ソフト自体の価格が安くないというところです。

弥生会計という会計ソフトを例に挙げて説明すると、クラウド会計ソフトは28,080円から32,400円(税込)、パッケージ版とDL版は42,984円~127,872円(税込)となります。

なお、クラウド会計アプリとは、インターネット上で動作するクラウドサービスです。このクラウドサービスの強みは、

  • ソフトのインストールを必要としない
  • 複数の端末でデータを管理できる

などが挙げられます。

デメリットはというと、

  • ネットワーク環境がなければ利用できない
  • クラウドサービスの提供先に対するセキュリティリスク

などが挙げられます。

効率よくデータを管理し、ビジネスローンの仕訳を行いたいという方は、クラウド会計アプリがおすすめですが、セキュリティに不安を抱いている方は、パッケージ版またはDL版のソフトの導入がおすすめと言えるでしょう。

まとめ

ビジネスローンの仕訳方法を紹介しましたが、経費とそうではないものを仕訳するのは、非常に大変なことです。

加えて、簿記の知識がないと、非常に大変と言っても、過言ではありません。

その手間暇を省略するために、会計ソフトの導入が必然的となっていきます。

多くの法人や個人事業主は、会計ソフトを導入し、経理の手間暇を省略する動きが見られます。

まだ導入されていない法人および個人事業主は、会計ソフトの導入をおすすめいたします。

会計ソフトの価格は安いとは言えませんが、長期的な視点で見ると、安いと考えたほうがいいでしょう。

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