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経営者として労働者の待遇改善を考えるとき、「もっと資金があればいろいろできるのに」と思ったことはありませんか?
そんな経営者に手を差し伸べてくれるのが、助成金です。
助成金を受給できれば労働環境を改善でき、雇用者が集まり、社会的信用に繋がっていいことだらけ。
そこで今回は、助成金を受けるための具体的な方法とコツを解説します。
助成金とは?
まずは、助成金の基本的なことを紹介します。
助成金は、国からもらえる返済不要のお金のこと。
「助成金=借金」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、それは間違いです。
そのため、助成金を利用しても信用に傷がつくことはありません。
逆に、企業の信用をアップするのに助成金は有効です。
その理由は、助成金は雇用保険料から賄われているから。
労働者から取ったお金を上げることになるので、少なくとも労働関係の法令に関して問題のない企業のみが助成金を受け取れます。
つまり、助成金を受け取れる企業は、国からのお墨付きをもらっていることになるので、信用があがるんです。
助成金と補助金の違いは?
助成金と並んで耳にするのが、補助金。
これらの違いは何でしょうか?
違いは大きく分けて4つあり、最大の違いが管轄省庁です。
助成金の管轄は厚生労働省、補助金の管轄は主に経済産業省。
助成金は各企業の雇用関係に関する費用に充てられ、補助金は政策目的達成のために起業家や中小企業を支援します。
また、助成金は条件さえ満たせば審査なしで受給できますが、補助金は条件を満たしたうえで審査を受けなくてはいけません。
他にも、申請期間は助成金の方が長く設けられているといった違いもあります。
助成金 | 補助金 | |
返済義務 | なし | |
管轄 | 厚生労働省 | 経済産業省 |
給付条件 | 要件を満たす | 要件を満たす+審査 |
申請期間 | 長い | 短い |
給付制限 | なし | あり |
より詳しく両者の違いを知りたいという方は、以下の記事も参考にしてみましょう。
補助金と助成金の違いってなに?きちんと理解して活用しよう!助成金は大きく分けて3種類
助成金には、大きく分けて3種類あります。
それぞれについて簡単に見ていきましょう。
事業主に対する雇用関係助成金
まずは「事業主に対する雇用関係助成金」です。
雇用者を増やしたり、障害者を雇用したりするときなどに使う助成金。
たとえば、
という場合などに、バリアフリー化するための資金をもらえたりします。
他にも、高齢者など特定層の雇い入れをする場合も、「事業主に対する雇用関係助成金」の給付対象です。
具体的な「事業主に対する雇用関係助成金」
「事業主に対する雇用関係助成金」の具体例は、下記のとおり。
- 新たに中小企業退職金共済制度に加入する等の事業主に対する助成
- 最低賃金引上げに向けた中小企業への支援事業
- 受動喫煙防止対策に関する各種支援事業
- 既存不適合機械等更新支援補助金
- 産業保健関係助成金
事業主団体に対する各種助成金
続いて、「事業主団体に対する各種助成金」です。
事業主団体というのは、その名の通り事業主の団体のこと。
たとえば「~組合」や「~連合会」、「~商工会」などが該当します。
給付対象は「事業主に対する雇用関係助成金」と同じです。
具体的な「事業主団体に対する各種助成金」
「事業主団体に対する各種助成金」の具体例は、下記のとおり。
- 人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)
- 時間外労働等改善助成金(団体推進コース)
- 建設事業主等に対する助成金
- 障害者福祉施設設置等助成金((独)高齢・障害・求職者雇用支援機構)
- 重度障害者等通勤対策助成金((独)高齢・障害・求職者雇用支援機構)
- 人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)
労働者に対する各種給付金
最後は、「労働者に対する各種給付金」です。
上記2種類は雇う側に対しての助成金でしたが、こちらは雇われる側に対しての助成金。
働く人の意欲的なスキル獲得を支援し、雇用の安定や再就職の促進を目指します。
具体的な「労働者に対する各種給付金」
「労働者に対する各種給付金」の具体例は、下記のとおり。
- 教育訓練給付金
助成金を受け取るための前提条件
助成金は補助金とは異なり、一定の条件をクリアすれば受給対象となりますが、それ以前に各種助成金に共通する前提条件をクリアしなくてはいけません。
ここでは、その前提条件について5つほど紹介しておきますので、サッとでも一読しておくことをおすすめします。
では早速、順に確認していきましょう。
各種保険に加入していること
冒頭で少し触れたように、助成金の財源は各企業が支払っている「雇用保険料」となっています。
そのため、助成金に申請ができる企業は、雇用保険の適用事業者である必要があるのです。
基本的に従業員を雇い入れる場合には、法人はもちろん個人事業主であっても、雇用保険に加入する義務があります。
また労働保険料についても、2年以上滞納している事実がある場合、助成金の受給ができませんので、この点にも注意しておきましょう。
ずさんな労働管理や不正を過去にしていないこと
助成金の受給をするためには、不正受給を過去にしていないことはもちろん、労働管理についても適切に行われている必要があります。
これはたとえば、雇用にあたり義務付けられた届け出を提出しているか、労働者に対して未払いとなっている賃金はないかなどがあるでしょう。
助成金の申請後は、こうした労働管理について、しっかりと調査されます。
また人材雇用関連の助成金を利用する場合、「雇用の6ヶ月前後において事業者都合による解雇」などが発生すると、助成金の受給がむずかしくなることがありますので、この点も注意をしておきましょう。
各種帳簿を整備・保管していること
助成金の申請の際には、必要書類として、以下のような書類を提出する必要があります。
- 就業規則を記載した資料(労働協約でもOK)
- 賃金台帳の写し
- 出勤簿(タイムカード)などの写し
- 雇用契約書
- 労働者名簿
また法人の場合、助成金によっては、以下の書類の用意も必要になることもあります。
- 登記簿謄本
- 定款
- 現金出納帳の写し
もちろんこれらは、どの助成金に申請するのかによっても、提出する書類は異なります。
いつ助成金申請してもいいように、こうした経営上必要なる書類は、丁寧に確実に保管するようにしておきましょう。
指定された期間内に申請していること
助成金は、いつでも申請できるものではなく、助成金ごとに申請期間が決められているものです。
そのため、申請期間外に申込みをしたとしても、当然受けつけてはもらえません。
また大体のケースで、書類提出方法は、助成金を受け付けている自治体などに持ち込むか、郵送という手段となります。
もし郵送である場合では、その時間も含め提出期限を決めておく必要があるでしょう。
もちろん、提出した書類に不備があれば、修正し直さなくてはなりません。
こういった点も考慮すると、申請期間には十分に余裕をもって準備に取り掛かる必要があることが分かります。
最初はなかなかスムーズにいかないでしょうから、専門家の手を借りるなどして、対処していくと良いかもしれません。
申請した内容に沿って事業を実施していること
助成金は、あくまでも国のお金であり国民のお金です。
そういったお金を利用して支援するため、申請内容通りに事業を実施しているのかは、しっかりと審査されます。
もし申請内容通りに事業を実施していない場合は、当然受給条件から外れてしまうため、助成金は不支給となってしまうでしょう。
管轄労働局が実地調査を行いますが、その際には求められた書類の提出はもちろん、実地調査にもしっかりと対応するようにしてください。
助成金を受けるときの注意点
ここからは、助成金を受けるときの注意点を紹介しましょう。
必ずしも助成金を受け取れるわけではない
助成金は必ずしも受け取れるわけではありません。
条件さえ満たせば審査なしで受給できますが、最低限の条件を満たす必要があります。
また、企業としての水準が一定以下であれば、条件を満たしていても給付対象になりません。
助成金を受け取れない場合に、以下の例があります。
- 暴力団関係事業の場合
- 不正受給から3年以内に支給申請をする場合
- 申請日後から決定日までの間に不正受給をした場合
- 支給の申請日もしくは決定日の時点で倒産している場合
- 支給申請日の前日から一年前までの間に労働関係法令違反があった場合
- 支給申請日の年度の前年度より前に保険年度の労働保険料を納入していない場合
- 性風俗関連、接待を伴う飲食店営業、これらの営業を一部受託する営業を行う場合
- 不正受給が発覚した倍、事業主名などの公表についてあらかじめ同意していない場合
すぐに助成金を受け取れるわけではない
助成金は審査がないため、申請すればすぐに受け取れると思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際はすぐに助成金を受け取れるわけではありません。
助成金は企業の支出に対してあとから支給されるもので、これは補助金も同じです。
助成金受給までの期間は、一年から一年半が目安。
しかし、助成金が降りるまでに資金繰りが悪くなってしまうと会社が傾き、倒産すれば「支給の申請日もしくは決定日の時点で倒産している場合」に該当するので助成金を得られません。
そのため、助成金よりも早く受給できる、日本政策金融公庫などからの借入も同時に検討するといいでしょう。
日本政策金融公庫から創業融資!その流れと審査に通すための注意点も助成金は課税対象
助成金も補助金も、ともに課税対象です。
これらの資金の用途には、固定資産に使う場合と人件費や経費などに使用する場合とに分かれます。
前者の場合、減価償却の対象になるので、受給額と損金額の差額は課税対象です。
後者は原則として所得が発生しないので、免税対象になります。
前者は基本的に、給付された金額と実際に支出する金額が同年度に計上されるため、所得が発生せず、結果税金は発生しません。
助成金を受ける流れを具体的に解説!
ここからは、助成金を受ける流れについて具体例を用いて解説します。
全助成金共通の申請条件6つ
まず、すべての助成金で共通する6つの申請条件は、以下の通りです。
- 申請期間内に申請を行う
- 雇用保険適用事業所の事業主
- 支給のための審査に協力する
- 管轄労働局等の実地調査を受け入れる
- 支給審査に必要な書類等を整備・保管している
- 支給審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局などから求められた場合は応じる
例:キャリアップ助成金(正社員化コース)
助成金の流れを紹介するにあたって、具体例として「キャリアップ助成金(正社員化コース)」を使います。
「キャリアアップ助成金」は、短時間労働者や派遣労働者などのいわゆる非正規雇用労働者に対し、企業内でのキャリアアップを促進するために正社員化や処遇改善などの取組みを実施した事業主に助成金を給付する制度。
「キャリアアップ助成金」には目的に応じたコース設定があり、全部で7種類。
今回は、そのうち「有期契約労働者などを正社員雇用労働者などに転換または直接雇用した場合」を対象とする「正社員化コース」を取り上げます。
- 正社員化コース
- 賃金規定等改定コース
- 健康診断制度コース
- 賃金規定等共通化コース
- 諸手当制度共通化コース
- 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
- 短時間労働者労働時間延長コース
1. キャリアアップ計画の作成・提出
まずは、申請前に「キャリアアップ計画」を作成します。
労働組合などの意見を聞き、内容をブラッシュアップさせましょう。
「キャリアアップ計画」の作成は、7種類のすべてのコースで共通です。
2. 就業規則などの改定(正社員などへの転換規定がない場合)
ここからは、正社員化コースとその他のコースで手順が異なります。
今回は正社員化コースを例にしているので、その他のコースのフローについては省略するのでご了承ください。
もし正社員などへの転換規定が社内になければ、就業規則などを改定して転換規定を作成しましょう。
3. 就業規則などに基づく正社員などへ転換
「2.」 で改定した就業規則などに基づき、対象労働者の待遇を改善していきましょう。
4. 転換後6ヶ月の賃金の支払い
待遇を改善したら、そのまま6ヶ月以上を過ごし、6ヶ月分の給料を支払ってください。
このとき、助成金を受け取るためには、待遇改善前と比較して5%以上該当労働者の賃金が増えている必要があります。
5. 支給申請
ここまで終わって、ようやく助成金を申請できます。
審査はないとはいえ、支給要件を満たしているかの確認などがあるので、即日助成金を受け取れるわけではありません。
6. 助成金の支給
厚生労働省から支給要件を満たしていると判断された場合、晴れて助成金を受給できます。
就業規則などに基づく正社員などへ転換から助成金の支給までは約1年
「キャリアップ助成金(正社員化コース)」の場合、就業規則後の待遇改善から助成金が支給されるまでに約1年かかります。
待遇改善後に6ヶ月以上雇用し、6ヶ月経過後の給与を支給してから2ヶ月以内に助成金を申請するので、待遇改善から申請までにおよそ7~8か月。
その後、受給要件の確認が3~4カ月かかるので、受給までに10~12ヶ月かかる見込みです。
「キャリアアップ計画」作成や就業規則変更も含めれば、トータルで1年~1年半は見ておいた方がいいでしょう。
受給までの間に資金繰りが苦しくならないよう、キャッシュフローも併せて確認しましょう。
他にもある!代表的な助成金3つ
前項ではキャリアアップ支援金について紹介してきましたが、助成金にはもちろんたくさんの種類があります。
ここでは、中でも代表的な3つの概要を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
では早速、進めていきます。
人材開発支援助成金
まずはじめに紹介する人材開発支援助成金とは、雇用している労働者に対して、専門知識や技術を身につけさせるための費用を助成するものとなります。
こう聞くと、「キャリアアップ助成金と一体何が違うのか」わからなくなる方もいるでしょう。
ただ両者には、明確な違いがあります。それは対象者の違いです。
キャリアアップ制度は、あくまでも非正規雇用の方が対象となります。
一方の人材開発支援助成金では、非正規でも正規でも、雇用保険に加入している方であれば対象となるのです。
この制度を活用すれば、社内の人材育成にも取り組みやすくなります。
その結果として生産性の向上も図れるわけですから、利用しない手はないでしょう。
受給額はいくら?
受給額は、一人あたり(1年間:Off-JTに限る)7万円~50万円となっています。
これは用意されているコースや会社規模、また実訓練時間によって異なります。
また1事業所あたり(1年間)の上限は、特性訓練コースを含むと1,000万円、一般訓練コースなら500万円と定められているので、この点には注意が必要でしょう。
この制度の詳細については、厚生労働省公式HPの「人材開発支援助成金」で、資料とともに確認できますので、一読しておくことをおすすめします。
また以下の記事でも、「人材開発支援助成金」については紹介していますので、まとめてみたい方は以下を参考にしてください。
人材開発支援助成金とはどんな制度?コースの違いや支給申請の方法とはトライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金は、スキル面や就職に問題を抱えている方について、一定の期間トライアルとして雇用した場合に助成されるものとなります。
この助成の対象者となる労働者は、ハローワークか職業紹介事業者(雇用関係助成金に関する標識交付を受け、事業所にそれを掲げている事業者)に紹介された者でなくてはなりません。
この助成金は、就職がむずかしい労働者に対して、事業者が受け入れやすくし早期就職や雇用機会を創出することが目的となっています。
受給条件には、原則3ヶ月の雇用や、所定労働時間に指定があるなど条件は他にもありますが、新しく人材を雇い入れる場合には、ぜひ検討したい助成金のひとつともいえるでしょう。
受給額はいくら?
気になる受給額についてですが、労働者一人あたり、最大月額5万円の支給となります。
また、この助成金については、各月の支給合計額が1回でまとめて受け取れるのが特徴。
詳しくは、「トライアル雇用助成金」より情報収集しておきましょう。
地域雇用開発助成金
最後に地域雇用開発助成金も紹介しておきます。
この助成金は、仕事があまり充実していない地域に、事業を設置し新たな雇用を生み出した際に助成されるものです。
ただし、その際に雇い入れる労働者は、その地域に居住している方が対象となります。
またその受給額は、雇い入れる人数や設備整備費用に応じて異なり、1年ごとに3回に分けて支給されてる点も覚えておくと良いでしょう。
受給額はいくら?
受給額は、「48万円~950万円」となっており、先述したとおり設置整備費用や支給対象者数によって異なります。
また以下に挙げるケースに該当する場合は、さらに支給額が増加しますので、チェックしてみる良いでしょう。
- 中小企業の場合、支給総額の半額にあたる額が1回目の支給に上乗せされう
- 創業となる場合、定められた支給額の倍額が1回目に支給される
また支給される際は、「1回目」と「2回目・3回目」で受給条件が変わります。
詳しくは、厚生労働省の公式HP「地域雇用開発助成金」で紹介されていますので、各要項に目をとおしておくようにしてください。
ここまでで、代表的な3つの助成金について紹介してきましたが、その他の助成金が気になった方もいるのではないでしょうか?
そうした方は、以下の記事を参考にすると良いでしょう。
助成金一覧まとめ!法人・個人事業主・個人の資金調達に必要な全情報助成金を受けるための5つのコツ
最後に、助成金を受けるためのコツを5つご紹介します。
徹底した情報収集
まずは、助成金に関する情報収集です。
厚生労働省が助成金について開示している情報は、それほど多くありません。
国民の資産を財源としているので大っぴらに宣伝するわけにもいかないので、知らない人と知っている人の情報格差が大きくなりやすいんです。
そのため、もし助成金の受給を考えているなら、助成金の情報を積極的に探しに行く必要があります。
申請書はわかりやすく具体的に書く
助成金の申請書は、わかりやすく具体的に書きましょう。
各助成金の申請書には、所定のフォーマットがあります。
それに従って記入すればいいわけですが、面談があるわけではなく、書類選考一発で給付の可否が決まるので、申請書だけですべてがわかるようにしなくてはいけません。
専門用語をわかりやすく噛み砕いたり、IT業界やスタートアップ企業などで多用されるカタカナ語の使用を極力控えたり、「誰が見ても内容を理解できるもの」を心がけましょう。
添付資料は申請書の枚数にカウントされないので、どうしても他の用語で代替がきかない場合は添付資料で説明したり、注釈をつけたりするのがおすすめ。
国民の資産を財源としている以上、助成金の申請可否にはきちんとした判断基準が用いられます。
誰が見ても納得する客観性が求められるので、熱意で押し切ろうとするのはおすすめできません。
客観性と具体性を意識した申請書が書ければ、助成金の給付に大きく前進します。
申請書の内容は適度にゆとりを持たせる
申請書の内容は適度にゆとりを持たせるのも、助成金を受けるためのポイントです。
具体的に、しっかりとした内容を記載する必要があるのはすでに説明した通り。
しかし、詳細に書きすぎてしまうと、申請書と実際の経営にずれが生じたときに助成金をもらえない可能性があります。
適当に書いていいわけではありませんが、内容には適度なゆとりを持たせましょう。
助成金の給付意図を考えて計画を書く
助成金の申請書や計画書を書くときは、助成金の給付意図を考えましょう。
それぞれの助成金には、厚生労働省にとっての目的があります。
たとえば、障害者雇用の促進や女性支援、高齢者の労働支援などです。
助成金はそれらの目的に合った企業に給付されるので、「弊社は助成金の目的に沿った活動をしています」というアピールが必要になります。
助成金の募集要項を見れば、意図はある程度透けて見えるので、募集要項をよく読みこみましょう。
助成金に精通した社会保険労務士に申請を外注する
最後に、助成金に精通した社会保険労務士に申請を外注するのも方法のひとつです。
助成金申請手続きは書類作成も含めてやることが多く、非常に時間がかかります。
自分たちで作成するのもありですが、助成金に精通した社会保険労務士に申請業務を依頼するのがおすすめです。
助成金を知り尽くした社会保険労務士に頼めば、申請書のミスも減らせるうえに、自分で申請するより多くの額を受給しやすくなります。
また、申請作業も自分でやらなくていいので、本業に時間や労働力を避けるのもメリット。
デメリットは社会保険労務士への報酬が発生することで、受給額の10~20%が目安です。
しかし、受給額が増えるので取り分は大きく減らないし、なにより助成金の受給実績ができるので社会的信用が得られます。
そのため、デメリットよりメリットが大きいのは明らかでしょう。
助成金は社労士への依頼が鉄板!その選び方とは?
前項で紹介したように、助成金申請でミスやムダな手間を省くためにも、社労士に依頼するのはもはや鉄板ともいえる策です。
では社労士を探す際は、具体的に何に注目して、選んでいくと良いのでしょうか。
ここではその注目ポイントについて、3つほど紹介していきます。
どれも大切な視点となりますので、ひとつずつ確認していってくださいね。
助成金申請依頼への実績やノウハウがあるか
まず確認すべきは、過去に助成金申請の依頼をどれくらい受けているのかという点です。
もし具体的に公式HPに記載がないのなら、直接問い合わせて、しっかりと確認をとることをおすすめします。
助成金の申請代行では、
といったように、その企業にとって最適な助成金を見極める知識も必要でしょう。
実績やノウハウについては、できるだけ多い社労士の方を選ぶことが、助成金受給にあたって得策となります。
見積もり時の費用についてしっかり説明をしてくれるか
社労士の中には、見積もり時の費用詳細が不十分であったり、「カンタンに助成金が受け取れますよ」と助成金に対しての説明を濁す方も少なからずいます。
もし、こうした社労士にあたってしまった場合は、信頼という点を考えても他を探す方がいいでしょう。
見積もり時の費用について、もし不明な部分があれば、その点はしっかりと質問するようにしてください。
これは金銭的に損をしないためにも重要なポイントとなります。
得意分野はマッチしているか
社労士といっても、業務範囲は広く、人によって得意不得意のジャンルは必ず出てくるものです。
分野とはたとえば、労働関係であったり、社会保険関連であったり、コンサル関連であったりと様々です。
もし、助成金申請などの手続き代行になれていない場合では、結局スムーズな申請ができないといったこともあるでしょう。
だからこそ、得意分野として助成金申請が含まれているのかは重要なわけです。
また社労士事務所の中には、助成金専門で運営しているところもあります。
わからなければ、そういった事務所をあたると良いかもしれません。
相性に問題はないか
助成金申請というと、半年から1年近くまで時間が掛かることもあります。
つまり、その期間は社労士の方とは、パートナー関係にあるわけです。
助成金についての相談や用意する書類などもあるため、この期間中は接する期間もそれなりにあるはず。
となれば、相性は長い付き合いをする上で外せないポイントにもなってくるわけです。
時に厳しいアドバイスもハッキリといってくれる社労士と出会えれば、今後の経営にもいい影響を与えてくれるかもしれません。
助成金申請の依頼先探しなら「社労士一括見積りサービス」が優秀!おすすめは?
自社にとって、良い社労士事務所を見つけるには、それなりに労力もかかるものです。
Webで「社労士事務所 ○○(地名)」と検索をして、ひとつずつあたっていたのでは、いくら時間があっても足りません。
これを効率化するためにも、無料で利用することができる「社労士一括見積サービス」を活用することは得策となるでしょう。
ここでは、おすすめの「社労士一括見積サービス」を3つほど紹介していきますので、ぜひ参考にしみてください。
おすすめ1:比較ビズ
はじめに紹介する「比較ビズ」は、日本で最大級の掲載数を誇る一括見積サイトとなっています。
また、自社の情報を公開せずに相見積もりをとることができるため、連絡が執拗にくることもないでしょう。
さらに、この一括見積サイトでは、地域や社労士の得意分野の絞り込みもできます。
この検索機能により、最適な社労士が絞り込まれ、効率良く探し出すことができるのです。
サッと探したい方は、「比較ビズ」を試してみるといいでしょう。
おすすめ2:アイミツ
「アイミツ」も、一括見積サイトとして知名度が高いサービスとなっています。
この一括見積サイトの魅力は、なんといっても専門のコンシェルジュが、要望に適した相手を見つけてきてくれること。
またヒアリングの際は、相場や見積もり時のポイントに対するアドバイスももらえるため、しっかりと選び抜くことができます。
ちなみにアイミツの利用実績は10万件と、その信頼性も抜群。
どれにすべきか迷ったら、まず利用したい一括見積サイトといえそうです。
おすすめ3:ミツモア
最後に紹介する「ミツモア」では、依頼者数が7万人以上にもなる一括見積サイトとなります。
この一括見積サイトの特徴は、実績や保有資格はもちろん、口コミについても事前確認ができる点でしょう。
これは、契約後のアンマッチを防ぐ意味でも、見逃せないポイントとなるのではないでしょうか?
また登録情報である電話番号については、公開と非公開とで選ぶことができます。
つまり、しつこい勧誘を未然に防ぐことができるわけです。
口コミまでしっかりと確認したい方は、「ミツモア」が有力候補となります。
専門家を活用して効率よく助成金を受けよう
今回は、助成金を受けるための具体的な方法とコツを解説しました。
助成金を受給するには手間も時間もかかり、決して受給までの道のりは簡単ではありません。
しかし、受給できれば国から労働環境にお墨付きがもらえたことになり、雇用拡大や事業拡大に繋がります。
多少コストには感じるかもしれませんが、専門家に頼って助成金の申請をする方が、よっぽど効率が上がります。
助成金受給に迷っている方は、まず資料を取り寄せたり調べたりして、情報収集から始めましょう。