確定申告と年末調整の違いはなに?両方必要なケースもあるって本当?

確定申告と年末調整の違いはなに?両方必要なケースもあるって本当?

確定申告や年末調整と聞くと「面倒くさい」「自分には関係ない」というイメージがあるかと思います。

しかし、働いている以上は必ず関係してくるでしょう。

この記事では、確定申告と年末調整に関する以下のことがわかるようになります。

  • 確定申告と年末調整の違いについて
  • それぞれの基礎知識
  • 確定申告と年末調整の両方が必要な人の特徴
  • 確定申告で注意すべきこと

税金を納めるだけではなく、払い過ぎた税金が戻ってくることもあります。

控除の項目も多くあるため、会社員には関係ないと思っている人も、この記事を参考に自分に当てはまる控除がないかを確認してみましょう。

また、どちらか1つではなく両方しなくてはいけないケースもあるので、ぜひ参考にして申告をしてください。

確定申告と年末調整は違いとは

確定申告と年末調整は違いとは

確定申告と年末調整は、どちらも所得税を確定させるための作業です。

ここでは、それぞれの概要と違いについてまとめておきます。

確定申告と年末調整についての詳細は後述しますので、そちらも併せて参考にしてみましょう。

確定申告の概要

確定申告は、その年の所得を計算して申告書を制作して、税務署に提出します。

つまり、その年にいくらお金を儲けたのか、そしていくら税金がかかるのか計算して税金を納める作業のことをいいます。

確定申告では、計算した後に税金を支払います。

年末調整の概要

年末調整は、基本的に会社が代わりに所得や税金の計算をしてくれるので、会社員であればとくに計算の必要はありません。

会社員の税金は、給料からあらかじめ引かれています。

ただ、この引かれている金額はおおよそなので、年末にきちんと計算するというわけです。

どちらも目的は所得税とそれに対してかかる税金の計算です。

場合にもよりますが、年末調整は計算した後に、多く支払った分が戻ってきます。

確定申告と年末調整の違い一覧

ここでは確定申告と年末調整の違いについて、表を用いて紹介していきます。

それぞれの詳細については、次項より紹介していますので、今はサッと確認しておく程度で構いません。

確定申告 年末調整
時期 2月16日~3月15日 大抵は11~12月
対象者 ※詳細は後述しています。

・個人事業主

・退職所得がある方

・年収2,000万円を超える方

・雑所得がある方

・年末調整で処理できない控除を受けている方

※詳細は後述しています。

・給与所得者

・青色事業専従者

提出先 税務署 会社
手続きする人 自分自身 会社や委託業者
手続き後受け取る書類 所得税及び復興所得税の確定申告書の控え 源泉徴収票
還付金の受取時期 大抵は3~4月

※税務署から

大抵は12~1月

※会社から

確定申告とは

確定申告とは

1月1日から12月31日までの1年間で、売上や経費などを計算して、納めなくてはいけない所得税を確定する作業のことです。

基本的には、個人事業主を対象としており、毎年2月16日から3月15日までのあいだに税務署に申告します。

会社員は年末調整になりますが、年収2,000万円を超える人や住宅ローン控除を受ける人は確定申告をします。

確定申告が必要な人は?

確定申告は個人事業主だけではありません。会社員でも、

  • 年収が2,000万円を超える場合
  • 副業での収入が20万円を超える場合

も必要になります。

つまり、なにか収入があった場合は、必要になる可能性があるということになります。

会社員だからといって、必要ないというわけではありません。

ただし、個人事業主でも所得が38万円以下の場合は、確定申告の必要はなくなります

またアルバイトやパートでも、2つ以上掛け持ちをしていたり、年末時点で勤務していない場合は、確定申告が必要です。

確定申告の方法

まずは必要な書類を整理することが大切です。

書類の準備

領収書などの書類は事前に準備しておきましょう。

直前になって用意するのは大変なので、日頃から書類の管理をしておくと申告書の記入が簡単になります。

申告書に必要事項を記載していく

次に申告書を入手しなくてはいけません。

税務署で直接貰うほか、国税庁のサイトからプリントアウトする方法、郵送で送ってもらう方法があります。

必要な書類と申告書を用意したら、あとは納税額や還付金の計算をしていくだけです。

また、確定申告についての詳しいやり方については、以下を参考にしてみてください。

確定申告の基本的なやり方と基礎知識!初心者必見の損をしないためのコツとは確定申告の基本的なやり方と基礎知識!初心者必見の損をしないためのコツとは

計算方法について

計算方法については、先ほど紹介した記事か、国税庁のサイトで解説がされています。

また、計算する項目が多く時間がかかる場合は、確定申告の専用のパソコン用ソフトがあるので、活用してみましょう。

確定申告ソフトのおすすめを比較!青色申告をラクにするソフトの選び方とは?確定申告ソフトのおすすめを比較!青色申告をラクにするソフトの選び方とは?

初めてする人には難しく感じるかもしれませんが、税務署では、申告前になると相談会を実施しています。

内容は人によって異なるので、不安な部分がある際は、提出の際に担当者へ直接聞くことをおすすめします。

確定申告の「青色申告」と「白色申告」ってなに?

青色申告と白色申告は、申告書の種類のことです。

ここでは概要を紹介していますが、それぞれについて詳しく知りたい方は以下の記事が参考になります。

確定申告の基本的なやり方と基礎知識!初心者必見の損をしないためのコツとは確定申告の基本的なやり方と基礎知識!初心者必見の損をしないためのコツとは

青色申告とは

青色申告は最大で65万円まで特別控除が受けられ、赤字の繰り越しも可能です。

ただし、青色申告は事前に申請が必要で、記入する項目と提出書類も多くなります。

白色申告とは

対して、白色申告は特別控除のない申告書ですが、事前に申請する必要がなく、記入する項目や書類も少ないです。

青色申告を利用する人は?

青色申告は家族への給与も経費として認められるなど、お得になる部分が多いので、主に個人事業主が利用するものです。

会社員でも、副業などで継続的に副収入が多い場合は事業所得と判断されるため、青色申告を利用することがあります。

また、青色申告で利用できるのは、

  • 「事業所得」
  • 「不動産所得」
  • 「山林所得」

のみとなっています。

注意

給与所得などは対象外なので、注意しましょう。

また、青色申告は事前に申請が必要になります。確定申告の直前での変更はできません。

確定申告をすることで税金が戻ってくる

確定申告は所得税を計算して国に納める作業ですが、場合によっては税金が戻ってくることもあります。

さまざまなケースがありますが、よく利用されるのは、

  • 住宅ローンを組んだときに利用される「住宅ローン控除」
  • 最近話題のふるさと納税をした際に受けられる「寄附金控除」

などがあります。ほかにも、

  • 医療費控除
  • 配偶者控除
  • 扶養控除
  • 特定支出控除
  • 雑損控除

などがあります。

納め過ぎた税金を取り戻すための申告は還付申告と呼ばれ、確定申告の期間より前の1月1日から申請が可能です。

実際に還付金が振り込まれるまでは、申請から1ヶ月以上かかるため、早めに申請をすることをおすすめします。

年末調整とは

年末調整とは

会社員の所得税はあらかじめ給与から引かれています。

この引かれている所得税を「源泉所得税といいます。

給与から引かれている所得税は、会社が代わりに国に納めます

所得税はその年の所得によって決まるので、毎月給与から引かれる源泉所得税の金額は、おおよその金額になります。

そこで、年末の所得が確定した時期に、正確な金額を計算して所得税を確定させるというわけです。この作業が年末調整です。

年末調整の対象者は?

年末調整の対象者は、年末の時点で勤務している人です。

年末の11・12月あたりになると会社から、

  1. 「扶養控除等申告書」
  2. 「保険料控除申告書」

の2つが配布されます。

年末調整をするには、この書類を記入して会社に提出させる必要もあります。

万が一、書類の提出をしなかった場合は、確定申告する必要があります。

年末調整は正社員だけでなく、アルバイトやパートでも同じように年末の時点で勤務していれば、書類を提出して年末調整をしなくてはいけません。

また、年末調整は1社でしかできないため、掛け持ちでアルバイトやパートをしている人は、年末調整をした会社以外からの収入は確定申告をする必要があります。

年末調整の方法

年末調整は、会社から配布される「扶養控除等申告書」と「保険料控除申告書」に必要事項を記入して会社の総務担当者に提出するだけです。

記入する項目は受けられる控除によって変わります。

記入する金額の計算方法などは、用紙に記載されています。

スムーズに記入や計算をするために、その年に支払った保険料や配偶者の年収などを把握しておきましょう。

年末調整で控除される項目

年末調整で控除される項目は「配偶者控除」や「生命保険料控除」だけではありません。

さまざまな項目があり、初めての人は分かりにくいものが多いです。

以下の項目が年末調整で控除されるので、当てはまらないか確認してみましょう。

・基礎控除

とくに条件がなく、誰でも一律に受けられる控除です。

・配偶者控除

配偶者の所得が38万円以下の場合に受けられます。

・配偶者特別控除

配偶者に38万円超123万円以下の所得がある場合に受けられます。

・扶養控除

扶養親族がいる場合に受けられます。

・保険料控除

生命保険・社会保険・地震保険に加入し、保険料を支払っている場合に受けられます。

・障害者控除

自分に障害がある、扶養している親族に障害がある場合に受けられます。

・寡婦控除(寡夫控除)

妻(夫)と離婚、死別して、その後婚姻していない場合に受けられます。

・勤労学生控除

学生で103万円以上所得がある人は受けられます。

・住宅借入金等特別控除

10年以上の住宅ローンを組んで、住宅を購入したり、増改築をした場合に受けられます。

・小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済や企業型確定拠出年金などに加入している人は受けられます。

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以上のように、さまざまな控除があります。

自分が対象になっているか確認して、漏れがないように記入していきましょう。

年末調整にも期限があるため、何か不明な点や疑問点がある場合は、すぐに会社の総務担当者に確認しましょう。

年末調整と確定申告の両方が必要な場合も

年末調整と確定申告の両方が必要な場合も

年末調整と確定申告は、どちらか一方だけではなく、両方必要になる場合もあります。

次から両方必要になるケースを解説していきます。

年末調整したから安心と思わずに、何か大きな収入があったり、大きな買い物をしたときは確定申告も必要かどうか確認しましょう。

転職してきた人|年末調整と確定申告の両方必要

転職してきた方で年末調整と確定申告の両方が必要となるのは、「退職所得に関係する源泉徴収票を持っている」というケースです。

源泉徴収票には、

  1. 給与所得に関する源泉徴収票
  2. 退職所得に関する源泉徴収票

の2種類があります。

「1」だけの場合は特に問題とはなりませんが、「2」を持っている場合では、所得税の計算方法が分離課税の対象であるため異なります。

会社側として行う、具体的な手順については以下となりますので、当てはまる事例があった際にでもお役立てください。

POINT
  1. 転職者に「給与所得に関する源泉徴収票」を提出してもらう
  2. 自社の給与所得と合算し新たに源泉徴収票を作成する
  3. 「退職所得に関する源泉徴収票」と「2」の源泉徴収票の2枚をもとに、転職者に確定申告を自身で行ってもらう
注意

※年末調整は行う必要はありません。

※確定申告をしてもらう際は、「国税庁(確定申告書の記載例)」をもとに、「確定申告書B」と「申告書第三表」に必要事項を記入してもらうようにしてください。

年収2,000万円を超える人|年末調整と確定申告の両方必要

年収が2,000万円を超えている人は年末調整ではなく、確定申告をしなくてはいけません。

会社から受け取る、

  • 源泉徴収票
  • 保険の支払い証明書

などを用意しておきましょう。

注意

また、高額所得者になると、「配偶者特別控除」や「住宅ローン控除」が受けられないケースがあるので注意が必要です。

副業をしている人|年末調整と確定申告の両方必要

年末調整は、1つの会社でしかできないため、本業のほかに副業の所得が20万円を超えた場合は確定申告をしなくてはいけません。

つまり、

  • 本業は年末調整
  • 副業は確定申告

となります。

これはアルバイトの掛け持ちをしている人の場合でも同じです。

住宅ローン控除を受ける人|年末調整と確定申告の両方必要

10年以上のローンを組んで住宅を購入したり、増改築をした場合に受けられる控除に「住宅ローン控除」があります。

この控除を受けるには、確定申告の必要があります。

住宅ローン控除で、確定申告が必要なのは1年目だけです。

2年目以降は税務署から送付される住宅借入金等控除証明書」を使って年末調整で控除を受けられます。

その他|年末調整と確定申告の両方必要

その他にも、ふるさと納税や寄付をした際にも確定申告が必要になります。

また、業務に必要な資格取得などの費用を対象にした特定支出控除も年末調整ではなく、確定申告で受けられます。

医療費を多く支払ったときに受けられる医療費控除もあります。

このように多くの控除が存在します。

大きな支払いや所得があった際は、年末調整で控除されるのか、それとも確定申告が必要なのか確認するようにしましょう。

確定申告で知っておきたいこと

確定申告で知っておきたいこと

ここから確定申告に関して知っておきたいことをまとめています。

複雑で分かりにくい部分が多い確定申告ですが、分からないままにしておくと、戻るはずの税金が受け取れなくなってしまいます。

自分に関わる部分だけでも、疑問点のないようにしておきましょう。

間違いがあれば5年前まで遡れる

確定申告は申告漏れがあった場合は、還付申告に限って5年前まで遡り申告できます。

申告漏れに関しては、2月16日から3月15日までという期限は関係なく、いつでも申告ができます。

ただし、一度申告してしまった場合は、更正の請求が必要です。

あとから、本来受け取るはずの還付金に気づいた際は、きちんと遡って申告しましょう。

高校生でも確定申告は必要?

学生のアルバイトでも基本的には年末調整が行われますが、複数のアルバイトを掛け持ちしていると確定申告をしなくてはいけない場合があります。

まず、アルバイト先で源泉徴収されていない場合は、確定申告をして自分で税金を納める必要があります。

ただし、年収130万円以下であれば勤労学生控除を受けられるので、所得税を支払う必要はありません。

源泉徴収がされている場合は、確定申告をすれば払い過ぎた税金が戻ってきます。

年末調整をしていないアルバイト先は、自分で確定申告をしましょう。

また、年収103万円を超えると親の扶養から外れてしまいます。

扶養から外れると親の税金が高くなってしまうので、注意しましょう。

確定申告をしないとどうなる?

確定申告をしないということは、本来納めるべき税金を納めないということになります。

確定申告を期限までにしないと、無申告加算税がかかります。これは本来納める金額に対して、15〜20%かかります。

また、故意に申告せずに税金を納めない行為は脱税で、犯罪行為になります。

しっかりと申告して税金を納めましょう。

ただ、会社員であれば、還付されることのほうが多いため、確定申告をしないことは損する場合がほとんどです。

確定申告は聞きなれない単語も多く、分かりにくいですが、きちんと申告したほうがお得です。

払いすぎた税金は確定申告・年末調整で取り戻そう

確定申告と年末調整は、どちらも税金を納めるためにする作業ですが、自分でするか勤務先にしてもらうかの違いがあります。

また、確定申告をすることで取り戻せる税金が多くあります。

働いてお金を稼いでいれば、高校生でも関係してくることがほとんどです。

自分には関係ないと思わずにきちんと調べておきましょう。

確定申告の場合は、自分でしなくてはいけないので、直前になって慌てることのないように準備をしておくのも大切です。

ぜひ今回の記事を参考にして、申告をしましょう。

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