顧問弁護士の費用相場はいくら?法人には必要?役割と必要性を解説!

顧問弁護士の費用相場はいくら?法人には必要?役割と必要性を解説!

法人として会社を経営していくと、必要になるのが法律の知識です。

就業規則や契約書などが法的に問題ないかを確認するには、素人の知識では難しいでしょう。

そこで、経営者の代わりに書類の作成や法的なトラブルを解決してくれるのが、顧問弁護士です。

この記事では、以下のような内容を紹介していきます。

  • 顧問弁護士の役割と必要性
  • 顧問料の費用相場
  • 顧問弁護士を雇うことのメリット
  • 顧問弁護士選びの注意点
  • どうやって顧問弁護士は探していくのか

顧問弁護士を雇おうと思っている経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

顧問弁護士を法人で雇う必要性は?役割ってなに?

顧問弁護士を法人で雇う必要性は?役割ってなに?

顧問弁護士とは、会社の法律的な問題を解決したり、法律が関わってくる書類の作成などをしてくれる弁護士です。

顧問料を支払っていれば、継続的に法律面からのアドバイスなども貰うこともできます。

法人に必ず必要というわけではありませんが、雇っておいたほうが、法的なトラブルなどにすぐ対応できます。

なにか問題があったら、その都度弁護士に依頼したほうが経費の節約にもなっていいのでは?

と思う人も多いでしょう。

しかし、単純に法律の問題を解決してくれるほかにも、さまざまなメリットがあります。

それらメリットについては後述するとして、ここでは顧問弁護士が必要となるケースについてに紹介していきます。

取引先と抜けのない契約をするとき|顧問弁護士の役割

取引先との契約書では、しばしばその内容がどちらかに有利となっていることがあります。

この場合で自身に契約書に対しての知見がなく、自身が不利な状況ということを知らずに締結してしまえば、後に思わぬトラブルを引き起こす要因にもなってしまうでしょう。

ただし企業というものには、「強い立場」「弱い立場」が存在することも事実です。

契約条件の変更によっては、まとまりかけた契約が白紙に戻るケースもありますので、お互いの良い着地点を探る上でも、顧問弁護士は必要な存在となるでしょう。

新規事業立ち上げのとき|顧問弁護士の役割

新規事業を立ち上げる際は、健全な事業を行っていくうえで、法律の知識が必要不可欠となります。

こういった内容を無視して事業を立ち上げてしまえば、知らず知らずのうちに違法なことをしていたという事態にもなり兼ねません。

ここでも、法の専門家が重要な役割を果たします。

注意

ただし、

  • その業界に詳しくない
  • 新規事業の立ち上げ経験がない

といった顧問弁護士は避けるべきです。

それなりの知識と経験が、このケースでは必要となります・

従業員トラブルが発生したとき|顧問弁護士の役割

従業員がいる企業では、雇用契約の内容や就業規則に関係したトラブルが、案外発生するものです。

こういったトラブルについては、極力早期での解決が望ましく、また適切にケアしていかなくてはなりません。

そうしたときに、顧問弁護士に相談しながら解決を目指すことで、裁判沙汰になることを未然に防ぐことができるでしょう。

顧客トラブルが発生したとき|顧問弁護士の役割

商売をする以上、どうしても悪質な顧客に遭遇するものです。

それがたとえ、こちらに落ち度がなかったとしても、ムダに時間を割かれる結果となり、それは経営自体にも影響してくるでしょう。

こういったトラブルは、初めのうちから専門家に任せておくことが得策といえます。

EXITを検討しているとき|顧問弁護士の役割

株式の上場やM&Aなどでは、法の知識は必要不可欠となります。

また、こういったEXIT関係の方針を決めていくにあたり、顧問弁護士がどの程度その企業の内部を知っているのかも重要なこととなるでしょう。

そのため、EXITを目的として現在経営をしているのであれば、早い段階から相性の良い顧問弁護士と契約しておく必要があるでしょう。

長期にわたって取引していれば、アドバイスの精度も上がり、双方にとって良い結果をもたらしてくれます。

顧問弁護士を雇うメリットは?

顧問弁護士を雇うメリットは?

顧問弁護士を雇うメリットとしては、主に以下の4つが挙げられます。

  1. 会社をトラブルから守る
  2. 素早く対応してくれる
  3. 経営に関するアドバイスを貰える
  4. 法務コストの削減につながる

ではそれぞれについて詳しくみていきましょう。

メリット①:会社をトラブルから守る

会社を経営していると法的なトラブルに巻き込まれることもあります。そういった際に顧問弁護士として雇っていると、優先的に問題の解決に取り組んでくれます。

自分の会社には無関係と思っていても、

  • 取引先からお金が支払われない
  • 顧客からのクレーム

などもあるでしょう。

適切に会社を経営していても、トラブルは向こうからやってくるものです。

きちんと問題を解決しないと、会社の信用にも傷が付いてしまいます。

また、顧問弁護士ならお互いに面識があり、会社についても知っています。

そのため、問題に発展する前の段階で、小さなことも気軽に相談できるのもメリットです。

メリット②:素早く対応してくれる

もしも、法的なトラブルになったときに、顧問弁護士がいなければ、弁護士を探さなくてはいけません。

しかし、すぐに業界に詳しい弁護士をすぐに見つけるのは、非常に難しいです。

また、忙しい弁護士にとって新規の依頼は後回しにされやすいです。

依頼を受けてもらっても、そこから会社の情報を共有して、対応していくとなると時間もかかっていしまいます。

顧問弁護士を雇っていれば、基本的に新規の案件よりも優先的に問題解決のために動いてくれます。

会社の経営状況や内部の情報もあらかじめ知っているので、対応までのスピードも早くなります。

メリット③:経営に関するアドバイスを貰える

顧問弁護士は、法的な問題を解決するだけではありません。

会社の状況をよく理解しており、さまざまな会社の顧問をしてきているため、いい相談相手になります。

たとえば

  • 資金繰りに困ったときは、資金の調達先に関するアドバイス
  • 事業を拡大するに関するアドバイス
  • 人を新たに雇う際のアドバイス

などについても、気軽に相談できます。

経営をしている以上、法的な課題はつきまとうものなので、気軽に相談できる顧問弁護士は非常に重要な役割となります。

初めて相談する弁護士では、会社内部の情報などを短時間で伝えることが難しいです。

顧問弁護士なら、会社の状況をよく理解していますし、気軽に相談できます。

注意

ただし、弁護士によっては、経営者の意見に賛成するだけの人もいます。

できればしっかりと会社の状況を把握してくれて、親身になって法的な問題がないか確認してくれる弁護士を見つけましょう。

メリット④:法務コストの削減につながる

顧問弁護士を雇うのは、お金がかかってしまうイメージが強いです。

しかし、実際は社内で法務担当者を雇うことを考えると、コストを削減できます。

中小企業の場合は、社内に法務部があっても、そこまで需要がないことがほとんどでしょう。

そこで、法務部の代わりとして機能してくれるのが顧問弁護士です。

なにかトラブルがあって依頼した際でも、顧問割引制度で料金が安くなることもあります。

弁護士を雇うのは、

  • 1時間数万円の相談料
  • 着手金
  • 報酬金

などさまざまな費用がかかります。

そういったことも含めてを考えると、その都度弁護士に依頼するよりも、最終的にかかる費用は抑えられるでしょう。

また、少しでも気になること、問題に発展しそうなことがあれば、気軽に相談できるのも顧問弁護士の強みです。

訴えられてから対応するのと、事前に対応するのとでは、全くかかる費用が変わってきます。それと同時に、会社の信用も守られます

顧問弁護士の平均費用相場はどのくらい?

顧問弁護士の平均費用相場はどのくらい?

顧問弁護士の平均的な費用相場は、日本弁護士連合会が2009年に行ったアンケートによると、平均で月約4万円です。

詳しく見ると、月に3時間程度の相談を顧問料の範囲にした場合、

  • もっとも多いのが5万円で52.7%
  • 次に多いのが3万円で33.5%

となっています。

2009年と古いデータにはなりますが、顧問料の費用相場は3〜5万円ということになります。

平均的な費用相場は3〜5万円ですが、なかには10万円の顧問料がかかる弁護士もいるようです。

高ければいい弁護士というわけではないので、かけられる経費や利用頻度などを考えながら、自社に合った顧問弁護士を選びましょう。

Tips

ただし、相談料は完全に別料金で、時間によって料金が決まるタイムチャージ制であれば、毎月かかる顧問料は1万円以下に設定している弁護士もいます。

月額の顧問料でどこまで対応してくれる?

どのくらい顧問料がかかるのかも大切ですが、それ以上に重要なのは対応してくれる範囲です。

ほとんどの場合は、3時間程度の相談に関しては月額の顧問料に含まれています。しかし、なかにはちょっとした相談でも、別途相談料金がかかる場合もあります。

月にかかる料金が安いからと契約しても、相談するたびに料金が発生すると結局費用が高くなってしまいます。

月額の顧問料だけではなく、対応の範囲もしっかり確認しましょう。

顧問弁護士費用を抑える方法

さまざまなメリットがありますが、もし全く相談しない場合は顧問料が無駄になってしまいます。

法的なトラブルが多くない場合は、経費削減のために顧問弁護士を雇っていない会社も多いです。

そこで、費用を抑えるためにおすすめなのが、タイムチャージ制を採用している顧問弁護士を雇うことです。

POINT

タイムチャージ制では、かかった時間によって料金が変わります。

毎月支払う顧問料は弁護士事務所にもよりますが、数千円から1万円程度です。

もちろん、通常の顧問弁護士と同じように、なにか依頼した際は、迅速に対応してくれます。

顧問弁護士を利用する機会が少ない会社は、タイムチャージ制が経費を抑えられるので、おすすめです。

ただし、相談などで1時間でも利用すれば、それだけ費用がかかります。

なにかトラブルが発生して依頼した際は、タイムチャージ制を採用していない顧問弁護士よりも費用がかかることもあります。

顧問弁護士を選ぶときの注意点

顧問弁護士を選ぶときの注意点

顧問弁護士を選ぶときは以下の4つのことに気をつけましょう。

  1. 対応までのスピード
  2. 会社の業界に詳しいかどうか
  3. 対応してくれる範囲
  4. 費用は適切かどうか

弁護士といっても、詳しい分野などは違うため、以上の点に注意して顧問弁護士を選びましょう。

大きなトラブルに巻き込まれた場合は、経営を左右する大切なことなので、慎重に選ぶのが大切です。

注意点①:対応までのスピード

契約書の作成や取引先とのトラブル、経営に関するアドバイスなど顧問弁護士に相談したいことはたくさんあります。

相談の際に、メールや電話などの対応は、できるだけ早い弁護士がいいでしょう。

対応のスピードを知るのは、契約前では難しいです。

しかし、少なくとも契約前のメールや電話でのレスポンスが早いどうかは、確認しておくといいでしょう。

注意点②:会社の業界に詳しいかどうか

顧問弁護士は、さまざまな業種の担当をしますが、全てに精通しているわけではありません。

業務の内容によって法的なアドバイスも異なってきます。

業界に詳しい顧問弁護士を雇うことをおすすめします。

契約する前に過去に担当した経験がある業種を確認しておくといいでしょう。

上手く探せない場合は、同業他社から紹介してもらうと、その業種に詳しい弁護士を見つけやすいです。

もし見つからないときは、業界に詳しくなくても、経験があり知識も豊富な弁護士を探すようにしましょう。

注意点③:対応してくれる範囲

毎月支払う顧問料で対応してくれることは、数時間の相談までという弁護士事務所が多いです。

なかには、「調査せずにすぐに回答できるものに限る」としていることもあります。

実際に依頼してみたら、

範囲外だった…

ということがないように、月額の顧問料で「どの範囲まで対応してくれるのか」については、しっかりと確認しておきましょう。

注意点④:費用は適切かどうか

高い顧問料を支払っているのに、短時間の相談でも相談料を取られたり、ほかの弁護士と比べると明らかに料金が高い場合もあります。

複数の顧問弁護士で料金を確認して、適切かどうか判断するのも大切です。

また、月額の顧問料で対応できない部分に関しては、顧問料のほかに費用がかかります。

顧問料が安くても、弁護士費用が高くては、最終的にかかる費用が高くなってしまいます。

顧問料以外の料金も併せて確認しておきましょう。

料金が高い弁護士は優秀な気がしますが、必ずしも優秀とは限りません。

理由としては、案件を多く抱えている忙しい弁護士ほど、料金が高いからです。

つまり、優秀でも抱えている案件が少ない弁護士は、料金が安くなる傾向にあります。

適切な費用の弁護士を見つけるには、適切な探し方をすることが重要になります。

次の顧問弁護士の探し方を参考に探していきましょう。

顧問弁護士の探し方

顧問弁護士の探し方

顧問弁護士を探すといっても、どこで探せばいいのか分からない人も多いでしょう。

とくに業界に強い顧問弁護士となると簡単には見つけることはできません。

焦って、相性の悪い弁護士に依頼するのもよくないので、できれば時間をかけて、慎重に探していきましょう。

顧問弁護士を探す方法は、

  1. 誰かに紹介してもらう
  2. 弁護士会を利用する
  3. インターネットを使って探す

の3つがおすすめです。

探し方①:誰かに紹介してもらう

信頼できる同業種の経営者や税理士がいるなら、紹介してもらうのがおすすめです。信頼できる人からの紹介であれば、弁護士も信頼できる可能性が高いからです。

知り合いからの紹介といっても、紹介してもらう際は、必ずどのような弁護士が希望なのか、相手にきちんと伝えましょう。

曖昧に伝えると、希望と違う弁護士を紹介されてしまう可能性もあります。

注意

知り合いからの紹介というと、合わないと感じたときに断りづらいこともあるので注意しましょう。

また、知り合いの経営者と取引先で、利害が対立していると判断された場合は、引き受けてもらえないことがあります。

探し方②:弁護士会を利用する

各都道府県に1つ以上は、弁護士が所属している「弁護士会」という団体があります。

この団体は、弁護士の

  • 指導
  • 研修
  • 情報交換

などを目的としていますが、弁護士の紹介もしています

弁護士会の相談センターや相談会などで、顧問弁護士の紹介を依頼してみましょう。

しっかりとした団体なので、全く顔を合わせないで探せるインターネットよりは、安心して探せます。

ただし、弁護士会の弁護士紹介は、基本的に市民向けで、経営者向けの弁護士を紹介できないことも多いです。

このあたりの対応については、弁護士会によって異なります。

なかには、専門の分野を絞って弁護士を紹介してくれる場合もあるので、問い合わせて確認しておくといいでしょう。

探し方③:インターネットを使って探す

インターネットを通じて、弁護士紹介サイトや法律事務所のサイトから探すのも有効な手段です。

検索サイトで、顧問弁護士と会社のある地域名を入力するだけで探せるため、ほかの方法よりも簡単に探せます。

最近では、インターネットで集客する弁護士が増えてきたので、非常に多くの弁護士のなかから、業界に合った弁護士を探せます。

ただし、その弁護士の能力や相性は、サイトからだけでは分からない部分が多いので、注意が必要になります。

また、当然ですが、インターネット上で集客をしていない弁護士を見つけることはできないのがデメリットです。

特殊な業界の場合は、知人や弁護士会の紹介では、相性の合った弁護士を探すのは難しいです。

複数の弁護士を検討して、見極める必要はありますが、インターネットを使って探すのは、非常に有効な手段といえます。

顧問弁護士と契約して法的なトラブルに備えよう

顧問弁護士の役割や必要性、平均の費用相場について解説してきました。

顧問弁護士は、基本的に対応できる範囲によって月の顧問料が変化します。

経費削減だけを考えると、雇わないという選択肢もありますが、法的なトラブルは引き起こしたくなくても起こってしまうものです。

タイムチャージ制を採用している顧問弁護士であれば、数千円でも雇えます。

弁護士の利用頻度などをもとに、雇うかどうか検討していきましょう。

顧問弁護士を探す際は、今回解説した選び方のポイントと探し方をぜひ参考にしてください。

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