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法人または個人事業主に向けたカーリースがあるのですが、近年になって、カーリースを選択する法人と個人事業主が増加している傾向にあります。
中には、自動車を余裕で購入できる法人と個人事業主はいるのですが、あえてカーリースという形で自動車をレンタルする利用者も存在します。
しかし、気になるのが、法人カーリースの審査基準です。
審査基準は基本的に公開されていないことが多いのですが、それがかえって、法人カーリースの利用を求める方々は不安を抱くでしょう。
そこで今回は、
- 審査を申し込むにあたって事前に知っておくべきことはなにか
- 一般的に指摘される法人カーリースの審査基準の内容はなにか
- その審査を通過するためのコツや注意点はなにか
について、わかりやすく解説いたします。
この記事を読んで、審査の通過率をあげてみてください。
まずは法人カーリースの契約(納車)までの流れ把握しよう
まずは審査の話をする前に、法人向けのカーリースを契約(納車)するまでには、どういった流れをたどるのかについて紹介しておきます。
法人カーリース契約までの流れは、次のようになることが一般的です。
※カーリース会社によって手順が前後する場合もあります。
電話やWEBなどで申込みをした際は、その後担当者より、希望や課題を把握するためのヒアリングが行われます。
大抵このときに聞かれる内容は、以下のような項目となるでしょう。
- 希望する車種やオプション
- リース期間はどの程度か
- 月あたりどの程度走行するのか
- 任意保険は必要か
もし明確なものがなくても、担当者が親身にアドバイスしてくれるので、質問はどんどんぶつけるようにしてください。
ヒアリングで得た情報をもとに、見積もりを作成してくれます。
その内容に問題がないかを確認し、不明点があれば聞くようにしましょう。
この時点でいよいよ審査するための必要書類などを提出していきます。
また審査申込み書がある場合では、代表者の捺印が必要となるケースもありますので、事前に用意しておくようにしましょう。
各社の審査基準に則って審査が行われます。
※この記事では、主にこの部分にフォーカスして、対策を含め解説していきます。
無事審査に通過すると、リース契約書が渡され、必要事項の記入や代表者の捺印をし契約成立となります。
この時点でも自動車を登録するのに必要な書類があるため、各社に事前確認しながら必要書類を準備し提出していきましょう。
自動車登録が終われば、納車となります。
基本的には、この自動車を登録した日がリース開始日となりますので、そこを起点にリース料を支払うことになります。
コレで無事、法人契約でのカーリースが開始となります。
法人カーリースの審査に申し込む必要書類とは?
法人カーリースに申し込む段階で必要なのは、
- 決算書
- 確定申告書
- 営業許可証
この3種類の書類です。
しかし、法人カーリースを提供する側によっては、これらの書類を準備する必要がないというケースもあります。
しかし、高額な車種(トヨタのプリウスやエスティマハイブリッドなど)だと、その3種類の書類を用意しなければならない場合があります。
こういったケースを考慮して、3種類の書類についてご説明いたします。
必要書類1:決算書
決算書とは「財務諸表」の正式名称です。
一定期間の会社経営の成績や財務の状況などを明らかにするための書類であります。
しかし、気になるのが、決算書の使い道です。
法人の場合だと、決算書の使い道を挙げるとするなら、
- 与信審査
- 株主への業績報告
- 税金の確定申告
などが挙げられます。
自分達の株を買ってくれた株主に対する業績の報告は欠かせませんし、税金の確定申告で必要になるなど、とても重要な役割を持っています。
一方、個人事業主の場合ですと、
- 与信審査
- 税金の確定申告
このようになります。
個人事業主で店舗を経営しているのなら、株という概念は存在しません。
与信審査や税金の確定申告など、個人事業主の決裁書は法人の決裁書と同様に、重要な役割を持つのです。
法人の話しに戻りますが、決算書は最低2期分を用意したほうが望ましいでしょう。
個人事業主から法人に移行したばかりで、法人カーリースを利用したい方は、個人事業主当時の決算書を用意し、連帯保証人いるとされています。
必要書類2:確定申告書
決算書の説明の続きになりますが、確定申告書は審査に必要な書類のひとつでもあります。
とはいえ、必要なのは、確定申告時にもらえる確定申告書の控えです。
上述した決算書と同じく、最低2期分の確定申告書が必要になることがあるとされています。
なお、決算書と確定申告書を用意する目的は、与信の審査をクリアする確率を少しでも向上させることです。
法人カーリースから話しがずれるのですが、法人カードやビジネスローンなど、そういったことにも利用可能なので、法人カーリースを利用しなくても、いつでも用意できる準備をしておいたほうが望ましいでしょう。
必要書類3:業種によっては営業許可証が必要
実は事業を行う中で、業種によってはどうしても、営業許可証の提出が求められる場合があります。
なぜなのかと言いますと、無許可で営業している可能性があるからだと、自分は考えているのです。
業種によっては営業許可証を必要としないものがあるのですが、それは少数と言えます。
ちなみに、営業許可証を必要としない業種を挙げてみました。
- 通信販売業
- ネイルサロン
- 学習塾
このようになっているのですが、先ほど申し上げたように、営業許可証を必要としない業種はごくわずかです。
営業許可証を必要としないのに、営業許可証を求められた場合は、営業許可証を必要としない事業に携わっているなどを説明しましょう。
法人カーリースの審査基準とその内容を解説
書類を用意し、準備を終えたところで、法人カーリースに申し込むのですが、気になる点があります。
それは、審査基準とその内容についてです。
審査基準とその内容については基本的に、法人カーリース提供側は公表していません。
加えて、法人カーリース提供側の会社によって、審査基準も異なります。
そこで、一般的にどういった点が注目されているのかについて、その内容を解説いたします。
主な審査基準は次の5つがポイントです。
- 会社の概要とその事業内容
- 設立および事業を開始してからの年数
- 借入金など負債残高がどれくらいか
- 会社または個人事業主の売上高もしくは年収
- 収入に安定性があるか
審査基準1:会社の概要とその事業内容
法人カーリースの審査基準のひとつに、透明性が挙げられます。
具体的に説明すると、法人カーリースのサービスを提供する会社に、自分のことを知ってもらう必要があるのです。
- どのような会社なのか
- 現在の住所はどこなのか
- どういった事業を行われているのか
- 資本金はどれくらいか
- 現在の財政状況はどれくらいか
こういった明確な情報を提供できないと、審査の通過は非常に難しいといえるでしょう。
資本金についてですが、少ないからといって、審査が通らないとはかぎりません。
根拠は、多種多様の自動車のカーリースが存在していることにあります。
この部分については後ほど解説いたしますが、身の丈にあった自動車を選択したほうが無難といえるでしょう。
審査基準2:設立および事業を開始してからの年数
法人が設立してからどれくらい年数が経過しているのか、個人事業主が事業を始めてからどれくらい年数が経過しているのか、こういった部分は審査において、とても重要になってきています。
年数が長ければ長いほど、高い信用度が得られる見込みはあるのですが、年数が低い法人または個人事業主でも、年数が低いというだけで審査が通らないとはかぎりません。
その場合、審査が通過できる他の要因をアピールしたほうが望ましいでしょう。
なお、その他の要因とは、
- 自動車を余裕で購入できるくらいの資金を持っている
- 借入金は一切ない
- もうすぐ返済できる見込みがある
などが挙げられます。
審査基準3:借入金など負債残高がどれくらいか
借入金の存在や、その他の負債残高がどのくらいあるのかが、審査基準の中で最も重視されます。
なぜかと言いますと、法人カーリースを継続的に支払える能力があるかどうかの判断材料になるからです。
法人カーリースは月々の料金を支払うことで、リースした自動車を利用できます。一般向けのカーリースもそれと同じです。
一般向けにもいえることですが、その方に「支払い能力がない」とカーリース提供側で判断された場合、審査の通過が見込めないことを意味します。
そうならないように、負債残高を清算することに、まずは努力していきましょう。
審査基準4:会社または個人事業主の売上高もしくは年収
法人が経営する会社および個人事業主が経営している店舗に、法人カーリースを利用できるくらいの売上高または年収がなければ、審査の通過は不可能であるとお考えください。
なぜかと言いますと、売上高や年収が少ないということは、法人カーリースを利用しても「継続的な支払いが困難である」ことを意味するためです。
もちろん、法人カーリースする車種によって、審査基準は異なります。
しかし、一定の売上高と年収がなければ、どういった車種であれ法人カーリースは利用できないと考えたほうがいいでしょう。
審査基準5:収入に安定性があるか
会社または店舗の経営者である以上、収入は常に不安定です。
会社に勤務するサラリーマンや、市役所などに勤務する公務員の場合は、比較的安定した収入を得られますが、会社や店舗の経営者となると、話が違ってきます。
当たり前ですが、経営の安定は、経営者の実力や手腕などにより左右されるためです。
また、会社に勤務するサラリーマンの場合であっても、勤務先の経営者や上層部によって経営状況が左右されるので、公務員より安定しているとはいえないでしょう。
話しを戻しますが、いくら収入が高くても、翌年に収入が激減する場合があります。
収入に安定性があるかどうかも、法人カーリースの審査基準のひとつとなっているのです。
ここでもやはり、将来的な返済見込みが高いかどうかが、重要な判断ポイントとなるでしょう。
法人カーリースの審査を通過するコツとはなにか?
法人カーリースの審査基準を満たしたとしても、必ずしも審査が通るとはかぎりません。
審査を通過するコツについてですが、実は存在しません。
しかし、審査を通過できる確率を上げるコツというものがあります。
上述した審査基準を満たすのも、審査を通過するコツといえますが、それだけでなく、さらに審査を通過できる確率を上げるコツもあるのです。
そのコツを3つほど次に挙げて、詳しく解説いたします。
コツ1:車種のグレードを下げる
法人カーリースは新車だけでなく中古車も扱っております。
新車の場合だと、法人カーリースの月額料金が高くなるのですが、中古車の場合だと、その月額料金をほとんど安く抑えられます。
法人カーリースの審査を通過できる確率を上げる要因のひとつに、車種のグレードを下げると挙げたのですが、車種にこだわりがなければ、軽自動車または中古車を選んだほうが得策といえるでしょう。
いくら審査基準を下げれたとしても
少し話しがずれるのですが、とても重要なことなので、ご説明いたします。
審査基準が下がることは、審査に不安を感じる経営者側にはメリットとなりますが、すべての場面においてメリットになるとは言い切れません。
というのも、リースした車が、その地域の特性に合っていないがために、事故のリスクを引き上げてしまうことがあるためです。
たとえば、北海道など積雪地域で営業を活動する場合、2WDではなく4WDの自動車の法人カーリースを選択する必要があるでしょう。
確かに2WDの車種は安く、4WDの車種は若干ながら高い傾向にあるのですが、2WDの車種の場合だと、
- アイスバーンでのスリップ
- 雪にはまったときに自力で抜け出すのが難しい
など、冬になると、こういったリスクが付きまといます。
4WDは2WDと違って、燃費が大きい傾向にあるのですが、4輪駆動なので冬道の走行に適しているのです。
法人カーリースを利用して、積雪地域で営業活動を行う場合は、4WD対応車種のカーリースを選択しましょう。
コツ2:虚偽記載しないこと
単純な記入漏れまたは記入ミスであれば、指摘したところを修正すれば問題はありません。
しかし、意図的に虚偽記載した場合は、当然ながら審査の通過は非常に難しい状況となります。
仮に法人カーリースの審査が通っても、後で虚偽記載が確認されたら、様々なトラブルが想定されるでしょう。
そういったトラブルが起こらないようにするためにも、虚偽記載は絶対にしないようにしてください。
コツ3:その他に審査を通過できない要因をなくす努力すること
審査を通過できない要因はその方によって異なるのですが、そういった要因をなくすことが重要だといえます。
その要因をひとつだけ挙げるとするなら、法人または個人事業主の信用情報です。
会社または店舗の経営者に、信用情報に傷がついているとすれば、法人カーリースの審査通過はかなり難しくなるでしょう。
もし、自分にそういった要因が該当しているのなら、その要因をなくして、改善または解決を努力しましょう。
信用情報の傷が消えるには、5年ほどの期間を要します。
これは、資金調達を行う上でも同様に悪影響を及ぼしますので、気長に実績を積むしかありません。
法人カーリースの審査に関する注意点
法人カーリースの審査に関して、いくつかの注意点がございます。
重要な注意点を2点挙げて、内容をご説明いたします。
注意点1:審査のない法人カーリースは存在しない
インターネット上では、審査のない法人カーリースが存在するという声もあるのですが、実際には審査のない法人カーリースは存在しません。
なぜかと言いますと、法人カーリースを提供する側にとって、審査をしないということは、未払いなどの多大なリスクを抱えることになるためです。
そのリスクを極力少なくするためにも、審査は必ず設けなければなりません。
仮に審査のない法人カーリースがあったとしても、料金が割高になる可能性が高くなるでしょう。
そういった法人カーリースの利用は、健全な経営のためにも、避けたほうが賢明といえます。
注意点2:法人カーリースは審査が甘いかどうかについて
こちらも同様に、インターネット上では、法人カーリースの審査が甘いという声が聞かれるのですが、実際にはそう甘くはありません。
しかし、カードローンやビジネスローンより、審査のハードルが低いともいえるでしょう。
その根拠は、リースするのは資金ではなく、自動車そのものだからです。
仮に自動車に何があっても、保険である程度対応可能だけでなく、未払いが続いたら、法人カーリースした自動車の没収は避けられません。
話しを戻しますが、法人カーリースの審査基準を満たし、堅実的に審査を申し込んだほうが、真の意味で法人カーリースの審査をクリアできる見込みがあるでしょう。
まずは候補を絞って、各社の申込み条件や必要書類を確認することをおすすめします。
社用車は法人向けカーリース!おすすめ12社の特徴比較!安いのも法人カーリースの審査基準を理解し、適切に対応していこう
法人カーリースの審査基準と、その審査を通過するコツについて紹介いたしました。
法人カーリースの審査基準は基本的に公表されておらず、加えて法人カーリースの提供する側の企業によって、その審査基準の内容も異なります。
法人カーリースの中には、決算書と確定申告書の提出を必要しないところもありますので、設立したばかりの法人や、事業を始めたばかりの個人事業主は、そういった法人カーリースを利用してもいいでしょう。