シニア起業の助成金を始めとする4パターンの資金調達方法

シニア起業に役立つ助成金を始めとする、資金集めの方法を中心にご紹介します。

  • 助成金、補助金(国や地方自治体)
  • 助成金、補助金(民間)
  • 融資
  • クラウドファンディング

資金に余裕を持っての起業も多いのが、シニア起業の特徴です。

でも「手持ち資金をつぎ込んで将来本当に大丈夫なのか?」という不安もお持ちではないでしょうか?

今回は資金集めの情報以外にも、シニア起業に役立つサービスなども交えながらご紹介していきます。

起業までに何を検討すればいいのかがお分かり頂けますので、ぜひ最後まで読み進めてみて下さい。

シニア起業の最新事情(2019年3月現在)

シニア起業は、これまで培ってきた人脈、経験、知識、技術をフル活用できる点で有利です。

シニアの起業状況を、日本政策金融公庫の調査結果からご紹介します。

シニア起業をする人はどんな人?

シニア起業をする人物像を探っていきます。

年齢・性別

  • 起業家全体の中で55歳以上は12.1%ですので、起業家の10人に1人はシニア起業家ということになります。また、起業家全体の84%が男性ですので、シニア起業も圧倒的に男性が多いのが現状です。

開業準備期間

  • 3ヶ月以下56.0%、1年以内94%、1年以上12.0%です。会社勤めをしている時からじっくりと計画を練っているというよりは、やりたいことを見つけて短期間で準備するイメージです。また、開業時に販売先や顧客の確保ができているシニア起業家の割合は、58.5%です。人脈をいかした起業が半数以上ということになります。

シニア起業に多い事業内容

シニア起業の事業内容を多い順に並べると、下記の通りです。

  1. 医療・福祉22.1%
  2. サービス業17.9%
  3. 飲食店・宿泊業14.7%
  4. 卸売業・小売業9.5%
  5. 建設業6.3%

未経験の業種を起業する割合は22.6%で、「経験がある業種を起業する」という方は、32.3%が30年以上の経験、30.0%が10~29年の経験でした。

専門性の高い医療・福祉分野が1位です。ゆったりと自分のペースで起業するのではなく、起業時から従業員を雇って、本格的にスタートするイメージです。

開業時の従業員数の割合を多い順に並べると、下記の通りとなりました。

  1. 5~9人24.5%
  2. 1人16.0%
  3. 3人・10人以上14.9%

また、82.1%の人が同業者や友人知人から開業アドバイスを受けていて、やはり人脈をいかした起業プロセスを感じます。

シニア起業家のお金事情

シニア起業家の利益に対する意気込みは、下記の通りです。

初めから大儲けしようと考える方は少ないことがわかります。

  1. 家計を維持できるだけの収入があれば十分64.9%
  2. 出来るだけ多くの収入を得たい26.6%、
  3. 家計の補助になればよい8.5%

家計の状況を見ると、起業する事業以外からの収入で生活する方が半数以上ということもわかりました。

  • 収入あり約56%(年金恩給、他企業からの給与、不動産収入)
  • 収入なし約44%

さらに、住宅費用の支出がない方も半数以上です。

  • 自宅所有でローンなし54.7%
  • 自宅所有でローンあり34.7%
  • 賃貸10.5%

割と恵まれた生活環境の方が多いと感じますが、それは起業時の自己資金額にも表れています。

自己資金額の割合が多い順に並べると、下記の通りです。

  1. 250万円未満41.9%
  2. 1000万円以上23.7%
  3. 250~500万円未満20.4%
  4. 500~1000万円未満14.0%

自己資金額については、開業する業種によって必要な金額が違います。

例えば医療・福祉の分野の場合、売り上げのほとんどは社会保険診療報酬で、入金は3ヶ月先です。

3ヶ月先までの人件費を含む経費を、準備しておく必要があります。

シニア起業の資金集め総覧

シニア起業では、自己資金を投入して起業をする方が多いと分かりました。

自己資金を持って起業するとしても、将来の資金繰りのために行動できるかどうかが、これからの資金繰りを左右します。

今回ご紹介する4パターンを、ぜひ参考になさってみて下さい。

1.助成金、補助金(政策)

助成金、補助金とは、一定の条件に従って申請をすれば支給を受けられて、返済が不要な制度です。

助成金、補助金制度は、基本的に下記の3つの機関から出されます。

  • 国(中小企業庁)
  • 地方自治体
  • 国(厚生労働省)

支出した経費に対する助成金、補助金がほとんどですので、支出後の受け取りになります。

お金の受け取りまで時間がかかりますが、起業時に投入した自己資金を一旦返還してもらい、「後に経営状態がピンチになった場合のストック資金として蓄えておける」と考えて、申請するのがおすすめです。

助成金や補助金は申請期限が短く、書類が複雑です。できれば専門家の力を借りて申請するのが安心です。

助成金と補助金の違いと最新情報の探し方

助成金と補助金の違いは、下記の通りです。

  • 助成金・・・一定の条件をクリアすれば、支給される
  • 補助金・・・事前の審査&実際に支出した費用の検査があり、問題がなければ支給される

*補助金の方が、支給のハードルが高いイメージです。

助成金や補助金の多くは、公募期間が限られています。

毎年出るものもあれば1回限りの場合もありますので、最新情報を手に入れて、効率よく準備する必要があります。

助成金、補助金の最新情報がわかる場所は、こちらです。

  • 中小企業庁、地方自治体、厚生労働省のホームページ
  • 地方自治体の窓口(総合受付で「起業する際の助成金や補助金が知りたい」と申し出れば、担当の課を教えてくれます)
  • お近くのハローワーク

助成金や補助金には、シニア起業家向けのものと起業家全体向けのものがあります。

どちらもご紹介していきます。

国の助成金、補助金

シニア起業家向けの国からの助成金、補助金はこちらです。

名称 支給額 概要
創業補助金 50~200万円 ・従業員1名以上を雇用するのが条件
小規模事業者持続化補助金 事業内容によって補助上限額

・50万円

・100万円

・500万円

商工会・商工会議所のアドバイスのもと、事業計画策定や実際の事業を始める場合の補助金
ものづくり補助金 上限1000万円か500万円 中小企業庁が認定した機関と連携し、生産性向上のための設備投資等をする場合の補助金

平成29年の『創業補助金』の採択率は.14.7%でした。採択された事業者を見ると、全国のカフェ、不動産、ドローン事業など、さまざまな事業がありました。

地方自治体の助成金、補助金

地方自治体は、独自の個性的な助成金や補助金制度を出しています。

毎年同じ助成金や補助金制度が出るとは限りませんので、一例をご紹介します。

2019年3月時点の助成金・補助金です

名称 支給額 概要
シニア、女性起業家支援資金等利子補給金(和歌山市) 日本政策金融公庫からの融資にかかる利子の1/2 日本政策金融公庫から融資を受けた55歳以上or女性起業家
シニア起業家支援事業助成金(兵庫県) 上限100万円 兵庫県内で起業する55歳以上

厚生労働省

厚生労働省の助成金や補助金は、雇用関係の内容です。

名称 支給額 概要
生涯現役起業支援助成金 60歳以上:上限200万円

40~59歳:上限150万円

40歳以上の起業家が、40歳以上の従業員を雇用して起業する場合の助成金
高年齢者等共同就業機会創出助成金 上限500万円 45歳以上・3人以上が共同で起業、高齢者等を雇用する場合の助成金

厚生労働省には、他にもさまざまな助成金、補助金があります。雇用をする場合はハローワークで詳しい内容を相談するのがおすすめです。

国や地方自治体が出している助成金、補助金は以上です。

今回は起業時にこだわってご紹介しましたが、起業後に注目したい助成金、補助金も多く存在します。

ぜひ専門家の力も借りながら情報収集をして、資金繰りの参考になさってみて下さい。

2.助成金、補助金(民間)

助成金、補助金には、民間企業や団体から出されるものもあります。

企業のホームページやSNSなどで情報が発信される他、自治体の窓口でも情報を得られます。

名称 支給額 概要
地域中小企業応援ファンド 各地域で内容が違う 中小機構と各地域の公共団体などが共同出資してファンドを運営し、運用益から起業資金の助成をする

民間からの助成金、補助金は、下記の場所でもれなく情報収集ができます。

  • 企業ホームページ、SNS、経済情報誌など
  • 各自治体の窓口
  • 商工会議所
  • 産業振興センター
  • 中小企業振興公社

民間からの資金はビジネスプランコンテストも検討

新しいアイディアを実現するために起業する場合は、ビジネスプランコンテストで資金を獲得する方法もあります。

全国の各地域で開催されていて、中小企業庁のホームページでもれなく情報収集ができます。

一例をご紹介します。

名称 賞金 概要
みたかビジネスプランコンテスト 最優秀賞30万円

優秀賞10万円

地域貢献賞10万円

インターネットを活用して、地域活性化の可能性がある事業を始める方向け

興味のある方は、「ビジネスプランコンテスト ミラサポ」で検索して、ご自分のアイディアに合ったコンテストがあるかを調べてみて下さい。

3.シニア起業向けの優遇制度がある融資

シニア起業をする場合は、メガバンクからの融資はほぼ期待できません。

日本政策金融公庫であれば、シニア向けの金利引き下げや据え置き期間の設定などで、優遇される融資制度があります。

また被災地での起業は、さらに有利な条件で融資を受けられる場合もあります。

名称 融資額 概要
新創業融資制度 上限3,000万円 起業する方か、起業後2期以内の方
女性、若者/シニア起業家支援資金 上限7,200万円 女性、35歳未満、55歳以上の方

融資は、細かい融資条件や返済条件をしっかり把握する必要があります。日本政策金融公庫では、創業前、創業時、創業後の方向けにアドバイスなどもしてくれます。

フリーダイヤルでの相談、来店相談が利用できますので、融資を検討する場合はぜひご活用下さい。

4.クラウドファンディング

起業時の資金調達方法で見逃せないのが、クラウドファンディングです。

資金調達だけではなく、起業と同時にファンを獲得する、事業内容に興味を持ってくれた人との人脈もできるなどの魅力がある資金調達方法です。

クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングは、“アイディアや目的がある人”と“応援したい人”がつながり、資金を集めることができます。

クラウドファンディングを取りまとめるインターネットサイトを利用して、資金調達を行います。

集まった資金は返済不要ですが、資金提供をしてくれた人に、事業に関わる魅力的なお返しをする必要があります。

また、クラウドファンディングを取りまとめるインターネットサイトによって、手数料が必要な場合もありますので、下調べをしっかり行って検討しましょう。

クラウドファンディングの例

シニア起業家がチャレンジした、クラウドファンディングの例をご紹介します。

発起者

  • シニアを含む男性3人

目的

  • 過疎が進む地域にブドウ園とワイナリーを作って地域活性化をし、これからの世代に残したい

目標金額

  • 100万円→80人以上から資金を受けて、総額175万円が集まった

お返し

  • 3,000円の寄付でワイナリー来店時に記念品進呈
  • 10,000円の寄付でブドウの苗木オーナー権利とワイン1本他
  • お礼の手紙   など

他にも幅広い世代の起業家が、事業の魅力や熱意を伝えてクラウドファンディングを活用しています。

女性向のシニア起業は助成金などが豊富

助成金や補助金、融資制度で、女性向けの支援制度が盛んです。

女性向けの起業支援制度はさまざまありますが、一例として東京都中小企業振興公社が出している『若手・女性リーダー応援プログラム助成事業』をご紹介します。

条件

  • 女性か39歳以下の男性
  • 都内の商店街で起業をする

支給額

  • 上限730万円(開業のための店舗改装費などのための経費を助成)

女性起業家は、起業家全体の中で割合が少ないです。

その分お互いを応援する輪のつながりが強いので、SNSなどで情報発信・情報共有を積極的に行いながら起業を進めていくのがおすすめです。

シニア起業立ち上げは個人・法人どちらを選ぶ?

「起業といえば法人設立」というイメージがありますが、個人事業から始める選択肢もあります。

個人事業立ち上げは法人設立のような登記が必要なく、税務署に数種類の書類を提出するだけで起業できるため、簡単で初期費用もかかりません。

もう1つ注目したいのは、消費税の納税です。

消費税は、2期前の売上高が1,000万円超の事業者に納税義務が発生します。

つまり開業2年間は、売上高が1,000万円以上でも消費税の納税義務者とはなりません。

個人事業で売上高1,000万円超となった時点で個人事業を廃業して法人設立をすれば、さらに2年間消費税の納税義務者となりません。

経営者にとって納税は資金繰りに影響する大きな支出ですので、特別な理由がない場合は個人事業から始めることも選択肢に入れていただけると幸いです。

既成概念を捨てて経費を圧縮!

長年企業にお勤めだった場合は、“会社とはこうあるべき”というイメージがあると思います。

イメージに沿った形の設備を整えるためには多額の資金が必要ですので、便利なサービスを検討して、起業当初の経費を圧縮するのがおすすめです。

レンタルオフィス

ある程度の広さと立地を求めると、保証金などは莫大な金額になります。

1つのスペースを区切って利用するレンタルオフィスであれば、必要なスペースと設備を最少額でそろえることが可能です。

営業や秘書などの外注

人件費も、経営者にとっては負担が大きい経費です。

給与だけではなく、教育費、社会保険料、退職積み立て、その他の福利厚生費が、売り上げに関わらず継続的に必要になります。

また、複数人を雇用する場合は個人間のトラブル対応が必要な場合もあります。

起業に必要な部分だけを外注して手助けをしてもらうこともできますので、検討する価値があります。

経費を支出する前に、本当にご自分に合っている方法を探ってみるのがおすすめです。

シニア起業の相談できる場所

“シニア起業家は82.1%の方が同業者や友人知人からアドバイスを受けている”とご紹介しました。

「そのアドバイスが信用できる情報なのか?」と疑問がある方や人脈がない方も、相談できる場所があります。

各自治体には創業支援センターがあり、無料で起業相談ができる他、人脈作りの手伝いや日本政策金融公庫の融資相談予約など、さまざまな手助けをしてくれます。

自治体によっては、無料で起業家が集まって起業準備ができる場所を開放している場合もあり、起業まではオフィス替わりとして利用し、共に頑張る仲間との出会いの可能性もあります。

まとめ

シニア起業に役立つ助成金・補助金を始めとして、さまざまな資金調達方法や支援についてご紹介してきました。

働き方改革が推進されていますので、シニア起業にも役立つ支援が数多くあります。

今回ご紹介した情報を参考に、ご自分の希望を叶える起業を推し進めて頂けると幸いです。

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