失業保険はいつからいつまで?自己都合・会社都合の条件についても解説

失業保険はいつからいつまで?自己都合・会社都合の条件についても解説

「自分の場合、失業保険はいつからいつまで給付されるのだろう」

など、失業保険が給付されるまでの期間や支給期間に関して、疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

実際に退職事由や雇用保険の加入期間によって、さまざまなケースがあるため、ご自身の場合はどうなのかきちんと確認しておくことが大切です。

そこで、今回は失業保険の給付における基礎知識を徹底解説。

自己都合と会社都合の場合の違いや、失業保険を受給するまでの流れなども詳しくご紹介します。

失業保険に関してあやふやな部分がある方は、ぜひここで知識を深めていきましょう。

失業保険の受給条件とは

失業保険の受給条件とは

「失業保険」とは、雇用保険に加入している方が失業してから再就職するまでの間に、「失業給付」を受け取れるシステムのことです。

ただし、失業保険には受給条件があり、以下2つの項目を満たす必要があります。

  1. 雇用保険の加入期間が、離職日以前2年間に「通算して12ヶ月以上」あること
  2. 退職日の翌日から1年の間にハローワークにて求職の申し込みを行い、「再就職しようとする意思」を提示すること

それぞれの項目がどのようなことなのか、詳しく見ていきましょう。

1.雇用保険の加入期間が、離職日以前2年間に「通算して12ヶ月以上」あること

まずひとつ目の受給条件は、雇用保険の加入期間に関するものです。

在職中に雇用期間に加入していたことは大前提で、退職日からさかのぼって2年間のうちに雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上あることが条件です。

離職の日以前2年間に、被保険者期間(※補足2)が通算して12か月以上あること。
ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。

※引用元:ハローワーク(基本手当について)より

ちなみに、その2年の間に転職している場合にも、雇用保険に加入していれば合算することができます。

注意

ただし、休職などで11日分以上の給与をもらっていない月がある場合は、その月はカウントされません。

雇用保険の加入期間に関して不安がある場合は、ご自身が条件をクリアしているかどうかを事前にしっかりと確認しておきましょう。

2.ハローワークにて求職の申し込みを行い、「再就職しようとする意思」があること

ふたつ目の条件は、再就職する意思があるかどうかというものです。

再び就職する意思があり、積極的に求人を探しているかどうかが判断基準となります。

とはいえ、働く意思というのは目に見える形で示せるものではありません。

そこで、ハローワークに休職の申請をしていれば、意思の表明ができる仕組みになっています。

ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。

※引用元:ハローワーク(基本手当について)より

失業保険はいつからもらえる?

失業保険の給付時期は、退職事由によって異なります。

以下で、自己都合で退職した場合と、会社都合で退職した場合の給付時期の違いについて押さえておきましょう。

自己都合で退職した場合 待機期間が終了してから3ヶ月後
会社都合で退職した場合 待機期間が終了してすぐ

自己都合などで退職された場合、離職理由によっては、待期期間満了後3か月間は基本手当が支給されません(離職理由による給付制限)が、この期間とその直後の認定対象期間をあわせた期間については、原則として3回以上の求職活動の実績が必要となります。

※引用元:ハローワーク(具体的な手続き)より

退職事由に関わらず、失業保険には「7日間」の待機期間が設けられています。

この待機期間は、申請者が本当に退職したかどうかを確認するための期間です。

待機期間が終了すると、会社都合の場合はすぐに失業保険の給付対象となり、自己都合の場合よりもはやく失業給付を受け取れます。

一方で自己都合の場合には、待機期間終了後もさらに3ヶ月間の給付制限があります。

その間は失業給付を受け取ることができないため、その点をしっかりと認識しておきましょう。

失業保険の給付期間は自己都合と会社都合でどう違う?

失業保険の給付期間は自己都合と会社都合でどう違う?

失業保険の給付期間についても、自己都合による退職と会社都合による退職とで異なります。

ご自身の場合は、どのくらいの期間で失業手当を受け取れるのか、ここできちんと確認しておくことが大切です。

自己都合退職の場合の給付期間

まず、自己都合で退職した場合は年齢に関係なく、「雇用保険の加入期間」に応じて給付期間が決まります。

被保険者期間 1年未満 1年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
(全年齢) 90日 120日 150日

※引用元:ハローワーク(基本手当の所定給付日数)より

自己都合による転職は、20代~30代頃に行われる傾向があります。

そのため、被保険者期間が10年未満の「90日間」に当てはまるケースが多いでしょう。

会社都合退職の場合の給付期間

続いては、会社都合で退職した場合の給付期間についてです。

こちらは自己都合とは異なり、「年齢」と「雇用保険の加入期間」によって給付期間が決まります。

被保険者期間 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
30歳未満  

 

 

90日

 

 

90日

 

120日 180日
30歳以上35歳未満 180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 240日 270日
45歳以上60歳未満 180日 240日 270日 330日
60歳以上65歳未満 150日 180日 210日 240日

※引用元:ハローワーク(基本手当の所定給付日数)より

会社都合による退職の場合は、年齢が高い方ほど給付期間が長くなるシステムです。

また、自己都合の場合と比較すると、被保険者期間が1年未満でも90日間失業手当をもらえるなど全体的に好待遇であることがわかります。

失業保険の給付はいくらもらえる?2種類の手当について

失業保険の給付はいくらもらえる?2種類の手当について

次に、失業保険でもらえる金額についても把握しておきましょう。

失業保険では以下の2種類の手当を受け取ることが可能です。

1.基本手当

基本手当とはいわゆる「失業手当」のことで、以下の計算式で算出されます。

基本手当日額

「過去半年間の給料(賃金)から算出した賃金日額 × 給付率

基本手当総額

基本手当日額 × 給付日数

ちなみに、2020年4月時点での基本手当日額の上限額は、30~44歳で7,570円、45~59歳で8,330円です。

とはいえ実際の計算は非常に複雑なので、ご自身で計算せずにハローワークで確認するとよいでしょう。

この「基本手当日額」は原則として離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金(つまり、賞与等は除きます。)の合計を180で割って算出した金額(これを「賃金日額」といいます。)のおよそ50~80%(60歳~64歳については45~80%)となっており、賃金の低い方ほど高い率となっています。

※引用元:ハローワーク(基本手当について)より

2.就職促進給付

失業保険の基本手当を受給している間に再就職が決まった場合に、「就職促進給付」と呼ばれる再就職手当が給付されるケースもあります。

基本的には、再就職が決まるまでの日数が少ないほど給付率が高くなるように設定されています。

就職促進給付の条件

  • 基本手当の支給残日数が2/3以上ある場合:基本手当の残日数の70%の金額
  • 基本手当の支給残日数が1/3以上ある場合:基本手当の残日数の60%の金額

※参考:ハローワーク(就職促進給付)より

上記のほかにもいくつかの条件があるため、具体的な内容についてはハローワークにて確認されることをおすすめします。

失業保険を受給するまでの5ステップ

失業保険を受給するまでの5ステップ

失業保険の申請は、最寄りのハローワークで行います。

あらかじめ以下の流れを確認しておき、手続きをスムーズに進めましょう。

(ステップ1)「離職証明書」の確認と「離職票」の受領

退職が決まると、会社から「離職証明書」が発行されます。

その内容を確認し、問題なければ記名捺印をしましょう。

すると会社は、離職日の翌日から10日以内に、会社も捺印済みの離職証明書と添付書類をハローワークに提出します。

ハローワークは確認ののちに「雇用保険被保険者離職票」を会社に発行し、それが離職者の自宅に届けられる仕組みです。

この離職票は、ハローワークにて申請を行う際に必要となるため大切に管理しておきましょう。

(ステップ2)ハローワークにて求職の申請

離職票を受領したら、管轄のハローワークに出向いて「求職の申請」を行います。

先に失業保険の申請を行うわけではないため注意しましょう。

申請の際は、ハローワークにある「求職申し込み書」に記入して提出します。

提出をするとハローワークのサービス利用時に必要となる「ハローワークカード」が支給されるため、忘れずに受け取っておきましょう。

(ステップ3)失業手当の申請

求職申請が終わったら、ハローワークの失業手当担当窓口にて、失業保険の申請手続きを行います。

その際に必要なものは以下の6点です。

必要なもの一覧
  1. 雇用保険被保険者離職票1・2
  2. マイナンバー確認証明書(マイナンバーカード、通知カード、住民票など)
  3. 本人確認証明書(運転免許証、マイナンバーカード、年金手帳など)
  4. 写真2枚(「縦3cm×横2.5cm」の正面上半身のもの)
  5. 印鑑
  6. 本人名義の普通預金通帳またはキャッシュカード

ひとつでも不備があると、申請手続きを行うことはできません

事前にしっかりと準備をしてからハローワークに出向きましょう。

(ステップ4)「雇用保険受給者説明会」に参加する

続いては、指定された日時に「雇用保険受給者説明会」に参加します。

この説明会は、受給資格決定日から1週間~3週間後に案内されるケースが一般的で、失業保険の仕組みに関して2時間程度で説明が行われます。

説明会には、以下の持ち物が必要となるため、きちんとそろえておきましょう。

必要なもの一覧
  1. ハローワークカード
  2. 雇用保険受給資格者のしおり
  3. 印鑑
  4. 筆記用具

説明会の最後に、「失業認定申告書」と「雇用保険受給資格者証」を受け取ります。

また、この際に第1回目の「失業認定日」が知らされ、次はその日程にハローワークに出向くことになります。

(ステップ5)失業認定日に求職活動の報告を行い、失業手当を受給する

第1回目の失業認定日にハローワークを訪れて、求職活動の報告を行います。

具体的には、説明会で受け取った「失業認定申告書」に、その日までの就職活動の状況を記入し、失業していることを申告するというものです。

その場で審査が行われて「失業中」と認定されると、およそ1週間後に指定の口座に失業手当が振り込まれます。

さらに「第2回目の失業認定日」が指定され、以降は4週間おきにハローワークに出向き、「失業認定申告書の提出→失業手当受給」が繰り返される流れです。

失業の認定を受けようとする期間(認定対象期間。原則として前回の認定日から今回の認定日の前日までの期間)中に、原則として2回以上(基本手当の支給に係る最初の認定日における認定対象期間中は1回)の求職活動(就職しようとする意思を具体的かつ客観的に確認できる積極的な活動のことをいいます。)の実績が必要となります。

※引用元:ハローワーク(具体的な手続き)より

失業保険の給付期間に関する疑問・質問

失業保険の給付期間に関する疑問・質問

それではつぎに、失業保険の給付期間に関するよくある疑問・質問をご紹介します。

気になることを事前にクリアにしておくと、より安心して失業保険を活用できます。

妊娠を理由に退職した場合に失業保険の期間を延長できる?

妊娠を理由に退職した方は、退職後すぐに再就職するわけではありません。

そのため、退職後すぐに失業保険の申請を行うことはできませんが、「受給期間延長の手続き」を行うことによって、産後に制度を利用できるようになります。

つまり、本来であれば退職日の翌日から1年の間にハローワークにて「求職の申請」を行う必要がありますが、「受給期間延長の手続き」を行えば、その1年に3年がプラスされ、合計4年の間に手続きをすればよいということになります。

失業保険の給付期間中に扶養に入ることはできる?

失業保険の給付期間中に扶養に入れるかどうかは、失業保険の給付額によって決まります。

そもそも扶養家族に入る条件は、月の給与額が13.5万円前後です。

これを失業手当の基本日額に置き換えると、3,611円以下であれば扶養家族に入れる計算になります。

もしも、基本日額が3,612円以上であれば、給付期間中は扶養に入ることはできません。

事前に基本日額を計算し、ご自身の場合にどうなのかをきちんと確認しておきましょう。

職業訓練を受けると給付開始時期が早まるって本当?

自己都合によって退職した場合には、失業保険が給付されるまでに、3ヶ月間もの期間がかかります。

しかし、その間に職業訓練を受講すると、受講開始のタイミングから給付を受けられるシステムになっています。

ちなみに職業訓練とは、働く際に必要な技能や知識を習得・向上を目的とした訓練のことです。

基本的に参加費は無料で交通費も支給されるため、再就職に難航している方はぜひ利用してみるとよいでしょう。

失業保険の受給で必ず注意したい3つのこと

失業保険の受給で必ず注意したい3つのこと

最後に失業保険を受け取るにあたって、注意していただきたいことは以下の4つです。

  1. 「失業認定日」は覚えておく
  2. 「就労」のラインを把握しておく
  3. 「求職活動」の内容を把握しておく

これらを把握していなかったばかりに、受給額が減ってしまったり、そもそも受け取る資格さえなくなってしまったということにもなり兼ねません。

漏れないよう、ぜひ一読しておいてください。

では、それぞれについて、順に解説していきます。

「失業認定日」は覚えておく

まずこの「失業認定日」は、特別な理由がない限り、原則変更することができません

もしこの日を忘れてしまい、ハローワークへ行かなかったとすれば、当然給付金も受け取ることができなくなります

とはいえ、体調不良などで「失業認定日」に行けない場合も、中にはあるでしょう。

そうした場合では、必要書類を提出することで、「失業認定日」を変更することが可能です。

また、「失業認定日」を一度忘れたとしても、その後ずっともらえなくなるわけではありません。

行き忘れた月だけ受給がされないということですので、次回しっかりと行けば、その月はもらうことができます。

ですが、あまりに「失業認定日」を忘れすぎるとなれば、受給資格がなくなる可能性も否定はできません。

損をしないためにも、「失業認定日」はしっかりと覚えておくようにしてください。

「就労」のラインを把握しておく

もし失業認定を受けた後、雇用保険へ加入するような仕事やアルバイトをしていた場合、受給額が減額されたり、受給資格を失うこともあるでしょう。

この「雇用保険へ加入するような仕事」というのは、たとえば以下の条件に当てはまるものを指します。

  • 週20時間以上の勤務
  • 雇用期間「31日~」

これら条件に該当する場合、雇用保険への加入が義務となります。

失業保険の給付金をしっかりと受けとりたいのなら、こうしたラインは把握しておくべきでしょう。

「求職活動」の内容を把握しておく

失業保険を受給するためには、定期的に求職活動について、ハローワークに報告しなくはなりません。

求職活動とは、たとえば以下に挙げる活動をさします。

  • ハローワークで就職相談をした
  • 派遣会社などで企業に応募した
  • 雇用保険受給説明会に参加した
  • 転職サービスなどの就職相談や面接会に参加した

これら求職活動を、認定日までに2回は行うことが必須となっているので、余裕を持って実施するようにしましょう。

ちなみ転職サイトやエージェントなどに、登録しただけでは求職活動として認めてはもらえません

失業保険を正しく理解して上手に活用しよう

失業保険は、再就職が決まるまでの間の経済的不安を軽減してくれる大変ありがたい制度です。

退職事由や雇用保険被保険者期間などによって給付期間が変わるため、ご自身の場合についてしっかりと確認しておくことが大切です。

失業保険を正しく理解したうえで上手に活用し、再就職までの生活に役立てましょう。

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