この記事はPRが含まれていますが、直接取材・調査した一次情報を元に書かれています。
近年、リタイアをした方の間でシニア起業を行う方が増えてきています。
確かに、今まで培ってきたノウハウや人脈などを活かすことで、シニア起業は成功しやすいといえるでしょう。
しかし、培ってきたノウハウや人脈を活かしても、シニア起業は成功するとはかぎりません。
シニア起業で成功している方がいる一方、失敗している方も必ずと言っていいほどいるのです。
ただし、その成功率は事前のリサーチと分析で、十分引き上げることができます。
そこで今回は、シニア起業の成功事例と失敗事例を紹介し、2つの事例を基にシニア起業成功方法についても徹底解説していきます。
まずは、ここでシニア起業の実態を掴んで、起業の第一歩を踏み出してみてくださいね!
では早速はじめていきましょう。
シニア起業の成功事例!なぜ成功したのかを解析
まずは、シニア起業の成功事例を紹介いたします。
なぜシニア起業で成功したのか、次の事例を3つ挙げながら、成功した理由を分析していきます。
外国人観光客向けバイクツーリングサービスを立ち上げた
元CAであるFUNRIDEJAPAN(ファンライドジャパン)代表である松林由紀子さんは、国際線CA時代に培った英会話と接客術を活かして、訪日外国人を対象としたバイクツーリング専門の旅行会社を立ち上げました。
CA時代に磨いた英会話と接客術を活かして外国人観光客向けのバイクツーリングサービスを立ち上げました。
内容は訪日外国人のツーリングの企画、プランニング、ガイド、アテンドなどを行う旅行業です。
日本で「ツーリングをしたい+宿泊手続きのやり方がわからない」といった外国人にとって、バイクツーリングをサポートしてくれる旅行会社は無くてはならない存在だといえます。
この事業が成功できた要因は、不安を抱く外国人にしっかりと応え、徹底したサポートを行ったことでしょう。
またツーリングにフォーカスした旅行業という、あまりなかったビジネスが、利益を獲得できた理由の一つといえます。
銀行員で学んだ知識や能力を生かしてできたら
次は、長期間にわたり勤めていた銀行を定年退職し、もらった退職金を元に独立起業したという内容です。
自分の祖父は大学を卒業してから信用金庫の銀行員になり、38年間勤めあげました。
それだけでも凄いことなのに、60歳になってから「俺は起業する」と言って、銀行から貰った退職金を元に起業することになりました。
祖父は、銀行員時代に「中小企業診断士」という資格を取得しており、信用金庫の銀行員の時から中小企業へ支援するためにかなり寄り添ってきたそうです。
なので、財務支援はお手のものですし、銀行への折衝や資金繰りの支援、自治体による補助金などの提案、経営アドバイスなどを武器にして、「経営コンサルタント」として、独立起業しています。
月に3社程度の顧問を引き受けており、スポット業務の依頼なども含めても、銀行員の時より稼いでいるとのことです。
事業内容は「経営コンサルタント」で、銀行員時代に培った知識と人脈が活かされ、銀行に勤めていたときより稼いでいるとのことです。
経営コンサルタントのシニア起業で成功した要因は、先ほど説明したとおり、銀行員時代に培った知識と人脈にあります。
銀行員時代、取得した「中小企業診断士」の国家資格を活かし、中小企業への支援に徹底していたそうです。
中小企業に対する支援が活かされたのか、中小企業からの信頼を得て、経営コンサルタントのシニア起業に成功したと推測できます。
料理の趣味からカフェレストランを経営へ
最後は、料理の趣味からカフェレストランの経営に転向し、成功した事例です。
私の母の体験談となりますが、もともと調理師の資格を持っていたのですが、料理とお菓子作りが大好きでそれを目当てに自宅に友人達がよく食べに来ていました。
ならばいっその思いで自宅1階を改修し、カフェレストランをオープンしました。
これが非常に好調で別の場所に2号店をオープンさせ、更に株式会社化し、今では2店舗の経営者となっています。
成功した要因は、趣味で培った料理とお菓子が、友人達の間で好評で口伝えに広まったことにあります。
思い切って自宅の1階をカフェレストランにリフォームし、個人事業主として経営を始めました。
調理師免許が活きたのか経営は順調で、別の場所に2号店をオープンさせるだけでなく、株式会社の法人化に至っているとのことです。
シニア起業の失敗事例!成功の鍵を探してみよう
シニア起業の失敗事例を紹介します。
なぜシニア起業で失敗したのかを分析し、失敗事例からシニア起業成功の鍵を探してみました。
退職を期に飲食店をオープンしたが・・・
はじめの失敗事例となってしまった原因は、立地条件のリサーチ不足にあると推測できます。
定年を期にもともと興味のあった飲食店をオープンした方でしたが、店舗の場所が駐車場が無い・公共交通機関でのアクセスが悪かったりと飲食店を出す立地としては適さない場所でした。
また、割高な割に料理のクオリティに問題があり回転直後から客足は伸びず、結局1年ほどで閉店してしまいました
飲食店をオープンして本格的に稼ぐなら、まずはオープンする飲食店の立地をリサーチしなければなりません。
リサーチもせずに飲食店をオープンしたので、客足が伸びない結果となったと考えられます。
もうひとつは、飲食店が提供する料理のクオリティに問題があったことでしょう。
料理を提供するわけですから、お客さんからすれば、その料理の味を求めるのは当然のことです。
さらにそれが割高となれば、リピーターはできにくくなるでしょう。
これら原因を解消できていれば、成功は期待できたのかもしれません。
夢の喫茶店経営を始めたが・・・
以下の事例は、念願の喫茶店を開業したものの、資金繰りが厳しくなり閉めてしまった事例です。
父親は65歳を定年にし、勤めていた会社を退職しました。会社から多額の退職金をもらい、そのお金で「お店を持つ」と言い出しました。
自分は「そんなに簡単じゃないからやめとけ」と言ったのですが、「自分がこれまでに頑張ってきたから貰えたお金なんだから好きにさせろ」と言われたので、好きにさせました。
昔からコーヒーを飲むことが好きで、豆から挽いてコーヒーを飲むほど好きでした。店を持つとは「喫茶店」のことでした。
住宅街に店舗を構え、店作りから始めました。
内装もこだわり、豪華なものにしたため、退職金だけでは足りず、銀行から融資を受けました。
当初から父親が言っていたほどにはお客が入りませんでした。
元手となった退職金は全部使っており、銀行から融資を利用しているため、毎月の資金繰りに苦労していました。
1年ほど頑張っていたのですが、事業経営に行き詰まり、1年ちょっとで店を閉めることになりました。
失敗事例を分析すると、オープンした喫茶店に投資し過ぎたのが原因であると考えます。
喫茶店の内装にこだわり、豪華にしたため、退職金が足りずに銀行の融資を利用し資金を賄っていたそうです。
たしかに内装も大切なことかも知れません。
しかし、最初の段階で多くの資金を投入することはリスクでしかないのです。
喫茶店を閉めることになった原因を深掘りして対応策を考えるなら、内装を豪華ではなくシンプルにして退職金だけで賄うことを考え、客足を伸ばすために、広告関連に力を入れるべきだったといえます。
大手ゼネコン技術職定年退職後、個人で施工仲介業務を開始
最後に紹介する失敗事例は、専門知識を活かし仲介業務を始めるも、営業の経験不足が原因で顧客が付かずに失敗した事例です。
父が、大手ゼネコンの技術職を定年退職後、個人で、ある技術の施工業務の仲介のようなビジネスを始めました。
技術は日本でも限られた人しか持っていないような特殊なもので、その技術に関する資格試験の立ち上げを行ったりと、
本人にも自信があったようなのですが、営業をやったことがないので、
お客様のことを考えずに、技術側の立場でしか提案ができなかったために、顧客が付かず、
結局1年程度で廃業、リタイア生活に入ってしまった。
技術側の立場で提案するのは決して悪いことではありませんが、お客様が何を求めて頼ったのかを考えなければなりません。
お客様のことを考えず、一方的に技術側の立場で提案しようとすると、お客様に不愉快な思いをさせることにつながります。
そうなれば、新規顧客が付かないだけでなく、悪評が広まる可能性もあるのです。
原因への対応策は、営業を学び、お客様の立場を考えることです。
お客様の立場を考えて提案できなかったがために、施工仲介業務の事業に失敗したと考えてもいいでしょう。
ちなみに、リクルートマネジメントスクールなどで、営業に関連した研修が開催されています。
営業に不安を抱いている方は、そういった研修を受けて、営業力の強化から始めていきましょう。
シニア起業の成功方法とは?
さて、ここまでで成功事例と失敗事例の双方を見ていきましたが、具体的な成功方法とは一体何でしょうか。
ここでは、その成功事例を7つ挙げて紹介していきます。
シニア起業の成功方法は、以下の通りです。
- 前職で培ってきたノウハウをフルに活かせる業種を選択すること
- 未経験の分野にあまり冒険しないこと
- 起業資金を調達すること
- 差別化すること
- 自分が目指すシニア起業家をイメージすること
- 無駄なプライドを捨てること
- 失敗事例を参考にすること
ではそれぞれについて、内容を解説していきます。
前職で培ってきたノウハウをフルに活かせる業種を選択すること
シニア起業を立ち上げるとき、前職に関連した業種を選ぶことで、起業の成功率が上がります。
前職で培ったノウハウと知識と人脈を駆使することで、シニア起業の成功に導けると考えています。
成功事例である「銀行員で学んだ知識や能力を生かして」に相当する内容の成功方法です。
未経験の業種にあまり冒険しないこと
シニア起業失敗のリスクを少しでも抑えるために、未経験の業種にあまり冒険しないことをおすすめします。
前職で培ってきたノウハウを活かせる業種より、成功率が低いためです。
しかし、未経験の業種に興味を抱くのは決して悪いことではありません。
未経験の業種でシニア起業の成功を導くには、いきなり起業せず、シニア起業を対象とした業種をイチから学ぶことです。
業種によって学び方は異なるのですが、フランチャイズを選択して起業するという方法もあります。
フランチャイズ本部が培ってきたノウハウを学べるだけでなく、起業前後のサポートも得られるので、失敗のリスク軽減は期待できます。
フランチャイズの探し方についてですが、以下の記事を参考にしてみると良いでしょう。
フランチャイズのおすすめは?人気ランキング21選を徹底紹介フランチャイズの業種別のおすすめはもちろん、基本知識から成功のコツまで掲載しています。
起業資金の調達方法を知ること
シニア起業成功に導くためには、起業資金の調達方法を知らなければなりません。
いざという時のために資金を調達しなければ、事業継続に支障をきたす可能性があるためです。
そこで、シニア起業向けに起業資金の調達方法を次に挙げて、解説していきます。
融資を受けられる可能性について
起業資金の調達方法で広く知られているのが、金融機関からの融資を受けることです。
個人事業主として開業し、融資を利用するのなら、個人事業主向けの融資を選択しなければなりません。
融資を受けられるかどうかは審査によりますが、融資を利用するのなら、金利の低い日本政策金融公庫に申し込みを行うのがおすすめです。
日本政策金融公庫であれば、シニア向けの創業融資も行っているため、まず目を通すべき内容といえるでしょう。
日本政策金融公庫から創業融資!その流れと審査に通すための注意点も金利に関する説明は省略しますが、日本政策金融公庫の審査に落ちたら、次いで金利の低い銀行がおすすめとなります。
銀行からの融資が得られない場合はノンバンク系という選択肢もありますが、なぜ自分が審査に落ちたのかをまず考えましょう。
また以下では、法人融資の種類を紹介しています。まずは基本知識を養っておくことと良いでしょう。
法人融資の種類や必要書類とは?審査の基準や通るためのコツも紹介シニア起業向けの補助金・助成金を使いこなす
シニア起業向けの補助金・助成金は以下の通りです。
またシニア起業で利用できる助成金などは、以下の記事でも詳しく紹介しています。
気になる方は、サッと目を通しておきましょう。
シニア起業の助成金を始めとする4パターンの資金調達方法差別化すること
差別化は、「他の企業がやっていないことを事業として行う」ことです。
シニアの方々は長年培ってきたノウハウを基に、様々なアイデアを生み出すことができるでしょう。
ひとつだけでなく複数のアイデアを生み出し、生み出したアイデアを絞り、絞ったアイデアの中から選定するのです。
という、常識的かつ当たり前の考えを捨てることが大事なこととなります。
自分が目指すシニア起業家をイメージすること
シニア起業家は多種多様に存在します。自分が目指すシニア起業科をイメージすることが大事なのです。
理由はというと、例として以下に挙げてみました。
- 地域の貢献を目的としたシニア起業
- 今までやりたがっていたことをやるためのシニア起業
- 複数人で協力しながらのシニア起業
3種類挙げた例の共通点は、金儲けを目的としていないことです。
目的に合わせて起業するので、金儲けは二の次となります。
もちろん、儲けは大事です。
立ち上げた事業または会社を維持するのに、シニア起業家の生活費のために、儲けについてもしっかりと考えなくてはなりません。
無駄なプライドを捨てること
という見栄やプライドは捨てなければなりません。
シニア起業を行う以上、新入社員の気持ちでゼロからスタートしないと、シニア起業成功から遠ざかってしまいます。
常に顧客に対して低姿勢で臨まなければなりません。
またその道の成功者にアドバイスをもらう際も、もちろん低姿勢の方が得です。
見栄やプライドは、何も生まないことを再認識することが大切ということです。
失敗事例を参考にすること
失敗は成功の糧になるので、成功事例より失敗事例を参考にしたほうが、シニア起業は成功へと導きやすいものです。
なぜ失敗したのかという原因を追究し、原因への対処法を行うだけでも、成功確度を上げられます。
「シニア起業の失敗事例!成功の鍵を探してみよう」という見出しを参考に、なぜ失敗したのかを自身でも改めて考えてみると良いかもしれません。
シニア起業なら「ゆる起業」という選択肢もある
シニア起業は何も、本格的にゴリゴリ行うものに限りません。
せっかく会社の束縛から自由になったのですから、自分のペースというものも意識してもいいわけです。
そこでここでは、ネットでも注目を浴びる「ゆる起業」について紹介していきます。
まずは、定年後の生活の実態からみていきましょう。
定年後に充実しているのは2割程度
定年したあとは、毎日の労働環境から解放されて好きなことや、のんびりと充実した毎日を過ごせるというイメージがあるでしょう。
初めのうちは自由を満喫できますが、何か月か経つとだんだん仕事をしていた日々が、懐かしく感じてくる方が多いといいます。
定年退職後の雇用保険が切れる半年が経った頃、また仕事に就こうと探し始めますが、うまくいく方は多くはありません。
清掃員や警備員などの体力を使う仕事は求人がありますが、体力に自信が無かったり、プライドが許せず違う選択肢を探す方が多いのが現状。
なかなか何をしていいか分からず、家で時間を持て余してしまいます。
その結果、妻は毎日家で過ごす夫と時間をともにすることで、ストレスが溜まってしまい夫婦仲も悪化してしまうこともしばしば。
定年退職後の時間は約15年です。
この時間をどのように過ごすのかによって、セカンドライフを価値のある時間にできるかが決まります。
だからこそ「ゆる起業」
ここでは、セカンドライフを価値あるものにするための選択肢として、「ゆる起業」にフォーカスしていきます。
ゆる起業とは、どんな起業なのでしょうか。
ゆる起業は、お金を稼ぎを目的とするのではなく、やりがいを目的にした起業のことをいいます。
定年退職後に、ボランティアや再就職をするよりもお金に余裕ができ、生きがいを感じることができるでしょう。
ただし、いくらやりがいが重視とはいえど、起業をするためには計画や準備が大事となってきます。
定年退職をしてから、いきなりの起業では、これらの準備が整っていないために軌道に乗るまでに時間がかかり過ぎてしまうでしょう。
そのため、50代に入ったら仕事をしながらでも、起業の準備をし始めることをおすすめします。
仕事をしながら起業の準備をすることは、カンタンなことではないかもしれません。
しかし、計画や準備を前もってしておくことによって、スムーズに成功率をあげることに大きく繋がります。
「ゆる起業」で心がける成功5ヶ条とは
ゆる起業を成功させるために、心がけておきたいことが5つあります。
ゆる起業で心がける成功5ヶ条とは、以下の通りです。
- 好きなこと、やりたいと思うことをすること
- やっててよかったと感じれること
- 今までの仕事や趣味でもいいので経験を活かすこと
- お金を稼ぐことにあまりフォーカスしすぎないこと
- 健康を最優先にすること
どんなジャンルで起業するかを決める上でも、こちらの5つは役に立ちます。
まずは、
- 「趣味でやってきたこと」
- 「仕事でやってきたことで得意だったこと」
- 「どれくらい稼ぎたいのか」
を具体的に考え、紙に書き出してみましょう。
これらを紙に書き出すことによって、やることが明確になり、成功率が「グンッ」と上がります。
また、起業する際の開業費用はなるべく抑えて、生活を圧迫しないように心がけておきましょう。
シニア起業も事前のリサーチと準備が大切
シニア起業の失敗事例と成功事例を紹介しましたが、成功している多くのシニア起業家は、金儲けを目的に起業しているわけではないようです。
金儲けとしていなかった事業が、たまたま大きな儲けにつながったと、認識したほうがいいでしょう。
これからシニア起業をしたい方は、なぜこの業種を選んで起業しようとしているのかを考える必要があります。
業種を選んだ動機を明確にすることが、シニア起業の成功に繋がるのです。
得られる情報はしっかりと得て、初期コストを抑えながら、着実に準備を重ねていってくださいね!